(四)-6

文字数 244文字

「これ、買ってくれたなら、早く言いなさいよね」
 母は口に入っている物を飲み込むと、父に向かって言った。
「あ、ああ。すまんすまん。って、そうかお前の大好物だったな。忘れてた」
「なに、それを知ってて買っておいてくれてたんじゃないの」
 母の機嫌はすっかり良くなっていた。
「ああ、もちろん、もちろんだよ」
 父はそう言って笑った。顔が少し引きつっているようにも見えたが。
「車の飾りの方は、適度にしておきなさいよ。それから、明日もここから搬出の仕事が入るみたいね。携帯の方にメール来てたわよ」

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み