第４話

２週間後、私は知美と共にママの店を訪れた。

店内に入ると、独特な声が響き渡った。「いらっしゃーい！」その声が耳に残り、今の私には懐かしく感じられた。

ママは私にとって心の中の静かな支えだった。彼女は常に自分の道を貫き、周囲の影響を受けることがなかった。その不動の姿勢が、私たちが迷っているときに、ふとママを思い起こさせるのかもしれない。

「この前あんたからもらった化粧水、使ってみたのよ。お肌がすごく良くなったわ。見て！美肌効果がすごいの」と、ママは頬を見せた。

知美が私に確認する。「その化粧水をあげたの、京香じゃなかった？」

「あら、そうだったかしら？ごめんなさいね、年のせいで記憶が曖昧なのよ」とママは謝りながら、「これよね」と言って脚を見せた。「どう？森高千里の脚みたいじゃない？」

私と知美は顔を見合わせて笑った。

「ママ、私と珠江があげたシェーバー使ってる？」と私は尋ねた。

「もちろん、毎朝使ってるわよ」とママは答えた。

知美が言った。「ママ、古いんだもん」

「何がよ？」とママが訊ねる。

「ブラピだとか森高千里とか、おかしくて笑えてくる」と知美が笑いながら言った。

ママはシェーのポーズをしながら「可愛い顔してあんたも言うわね」と言った。

私と知美は顔を見合わせて笑った。

そんな具合にしばらく話を続けてから、私はスクリュードライバーを頼んで、飲みながら、その場の雰囲気を楽しんでいた。