第6話
文字数 398文字
彼女がベッドで寝る間、俺は外で見張り番を申し込んだ。
椅子もありますよと言われたが、
いつ湖竜が現れるかもわからないし、
何より、純白のシーツを身にまとう彼女がいる
同じ屋根の下で眠るなど考えられなかった。
彼はうぶだった。
そうして2日ほど経ったころ、異変が現れた。
いつものように朝食を取り、
森の見張りがてら湖の周りを練り歩いていると
白く光る何かが草むらから見えた。
その日は太陽が明るく草木を照らし、夜露で濡れていた。
草むらをかき分けてその正体を見つけると、思わず息をのんだ。
それは俺の手のひらほどもある、白くてでかい鱗だった。
夜露で少し湿っていて、太陽に照らすと反射して、青や緑にも輝いていた。
魚にしてはでかすぎる。
父親と狩りに出かけていたころから様々な魚を採ったが、
こんな鱗は今までも見たことがなかった。
もしかすると、これは湖竜の鱗かもしれない。
他に手掛かりがないか、俺はさらに森の奥へと進んでいった。