第3話 you spin me round/dead or alive

文字数 782文字

恥ずかしながら、僕がロックに目覚めたきっかけはdead or aliveである。
いや、恥ずかしくなんか、ないぞ、たぶん。
僕は声が低くて音痴だったので、深夜義理の父親のカラオケにU2のjhosua treeなんかをぶっ込んで懸命に練習した。
けれど、人間には適性がある。
バンドやる為に聴いた音楽。
velvet undergroundに、このdead or alive。
きっかけはbland new loverだった。
ユーロビート。
軟派な気がした。
pete burns。
そのフロントマンはなぜか長髪に眼帯、美形ギタリストとのゲイ関係をチラつかせている。
プロデュースチームはSAW。
ハイプっぽい。
いや、完全にハイプだ。
しかし、夜ヒットに出ちゃおうが何だろうが、僕は彼らの曲が好きだった。
そして、最近になって観た、「ill save you all my kisses」のPV。
なんか軽快なリズムに乗って股間を乾布摩擦みたいな事してる。
すごいや。
peteは結局コンプレックスが治らず、稼いだ金全部整形に費やし、その失敗に苦しみながら死んでった。
彼らにどこまでのオリジナリティがあったのかはわからない。
ただのアイコンとして、機能していただけなのかもしれない。
けれど、この「you spin me round」の「you spin me right round, baby like record baby, right round , round, round, roundをリフレインする度、smithの「reel around the fountain」とか、theピーズの「ノンリタイア」とか、sloanの「spouse to they close the door」と同じ様に、ただただその場で回り続けていつか止まってぱたりと倒れるだけの自分が、かなしくなるのです。
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