(三)-5
文字数 213文字
「俺は……、自分でも何がやりたいのかわからない」
少しの沈黙の後、「そっか」と呟いて翔太は笑った。
「何がおかしいんだよ」
「ううん、ゴメン。だって加島君、全然自分の事、話してくれなかったじゃん。でも今初めて話してくれた。それがなんか嬉しくってさ」
「そうか」
拓弥はグラスの水を飲み干して、テレビの前のローテーブルの前に置いた。
「ねえ、加島君は、今後どうしたいの?」
どうしたいのか……。それは拓弥自身にもわからなかった。
(続く)
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