第14話:カトリーナ被害と荒川静香の優勝

文字数 1,863文字

 英国では主要国首脳会議「サミット」が、開かれており、議長役のブレア首相は急きょロンドンに戻った。エジプトのシャルムエルシェイクでは同23日、ホテルなどで爆弾テロが起き、88人が死亡。インドネシア・バリ島でも10月1日、レストランなど3カ所で爆発が発生。

 そのため日本人1人を含む20人余が命を落とした。その後、11月9日には、ヨルダン・アンマンのホテル3カ所で起きた同時爆弾テロで59人が死亡。未だにテロの恐怖は、消えなかった。アメリカでは、超大型ハリケーン「カトリーナ」が8月末にニューオーリンズなど米南部を襲った。

 ジャズの街ニューオーリンズは堤防の決壊で水没、死者は1300人超と、1928年以来最悪の被害となった。ニューヨーク商業取引所「NYMEX」の原油先物相場が高騰、8月30日に1バレル・70.85ドルの史上最高値をつけた。

 好調な米景気や中国の需要拡大などが相場を押し上げ、米南部の石油関連施設を大型ハリケーンが襲い、投機資金も加わって一段高となった。石油輸出国機構「OPEC」は増産余力に乏しく手詰まり感が台頭した。

 そのため、国際エネルギー機関「IEA」は9月、1991年の湾岸戦争以来となる戦略備蓄の放出に踏み切った。原油高騰はガソリン価格上昇など個人の財布を直撃、世界のインフレ懸念も強めた。こうして、10月、11月が過ぎ、12月を迎えた。

 母の富子さんが、律子さんの面倒を見て、炊事、洗濯、風呂など家事をしてくれ、大助かりだった。そこで、12月24日の晩、宇佐時彦は、クリスマスケーキと鶏の丸焼きを買ってきて、盛大にクリスマスパーティーをした。

 そして、宇佐君子の誕生をお祝いした。この頃になると、一郎もしっかりと御飯を食べるようになり男の子らしくなってきた。その後、2006年が明けた。宇佐家出は、家族全員で初詣に行き家内安全を祈願。宇佐時彦は、家族のため投資の成功も祈願してきた。

 この年の、国際原子力機関「IAEA」が、2月4日、緊急理事会でイラン核問題の安保理付託決議を採択。しかし、イランのアハマディネジャド大統領は4月11日、ウラン濃縮活動成功を発表、核開発を追求する姿勢を鮮明にした。

 これに対し国連安保理は7月31日、濃縮活動を8月31日までに停止しない場合、経済制裁を行うと警告する決議を採択。イランはこの履行期限も無視し濃縮を続けているとIAEAも確認した。これを受けて安保理常任理事国とドイツの6カ国は制裁決議案をめぐり協議を続けた。

 2月に行われた冬季五輪トリノ大会のフィギュアスケート女子で、荒川静香が、日本フィギュア界初の金メダルを獲得した。ショートプログラムで3位につけた荒川は、自由演技で逆転し優勝した。

 アイスダンスでは、プッチーニのオペラ「トゥーランドット」の曲に乗った華麗な演技で高得点を挙げ、コーエン「米国」、スルツカヤ「ロシア」らのライバルを抑え逆転優勝。日本の女子選手では、長野大会フリースタイルスキーの里谷多英に次ぐ二人目の冬季五輪金メダリストになった。この知らせに日本中で、歓喜の声が上がった。

 9月に北海道滝川市の小学6年の女児が、首つり自殺をした問題で、10月、女児がいじめを受けた内容の遺書を残していたことが判明。市教委は「いじめは把握していない」としていたが、その後認め遺族に謝罪した。

 これ以降、福岡県筑前町の中学2年の男子、岐阜県瑞浪市の中学2年の女子と全国でいじめによる自殺が相次いで明らかになった。この問題では「いじめ報告」をめぐり北九州市の小学校校長が自殺したり文部科学省に自殺予告の手紙が多数寄せられたりする事態も発生。

 その他、2005年10月に実施した国勢調査に基づく日本の総人口が、1億2776万7994人で確定した。2004年10月1日現在の推計人口から約2万2000人減少しており、総人口が前年を下回ったのは戦後初めて。

 2006年10月1日現在の推計人口も2005年を約1万8000人下回り、日本の人口が04年をピークに減少局面にある事を浮き彫りにした。一方、日本人女性1人が一生に生む子どもの人数に相当する05年の合計特殊出生率は1.26と過去最低を更新した。

 少子高齢化が一段と進行。その後、この出生率低下で日本の人口減少の問題が、大きく取り上げられるようになった。この年、宇佐家では、4月宇佐君子を乳母車をハイエースに乗せ、子供の国に出かけて広い公園内を散策。桜やチューリップの花見をして多くの写真を撮って来た。
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