第22話:進学塾経営と令二が肺癌かも知れない

文字数 1,524文字

 そして、博和は、有名高校、大学受験のための数学、理科の講師をする事にし、会場は八王子できから徒歩7分のビルの8階で50人は入れる教室を3時間1万円で借り、最初は月、水、金で塾を開いた。実際に塾を開くと、進学塾に高校受験31名と大学受験32名が入った。

 その後、意外に多かったのが英検とTOEICの教室で84名の応募があり、ほとんどが社会人で、土、日の希望の人が非常に多かった。そのため、水、金の夜17時から19時までを進学塾にあて、土日の昼間を英検とTOEICとして、博和も英語検定2級を持っていたので、TOEICの点数の低い人と英検2級をめざす人を中心に手伝ってもらう事にした。進学塾の授業料は月4回で月謝3千円、英語検定とTOIECは月4回で月謝5千円とした。

 実際に進学塾をやってみると、時間が短い割に疲れた。また、教材費と会場費が意外に大きいので、純利益は思ったほどの金額ならなかった。概ね、サラリーマン1人分の年数と、ほぼ同等の年収500万円前後だった。しかし、2人で貯めて行くには、何とかなる、ちょっと、多い年金と言った所だった。しかし、以外に自由になる時間が増えて、小旅行にで買えたり、買い物に困ることはなかった。そして、2013年も10月を迎えた。

 2013年10月12日に、井方令二から、善継に相談したいことがあると言われ、待ち合わせ場所の喫茶店に行った。約束の11時に行くと、既に、令二は来ていて、手招きした。座って、珈琲を頼み、相談て、何と善継が、令二に聞いた。すると、小さな声で、先日、毎年やってる定期検診で内科の先生が、肺に何か嫌な影が見えると言い、癌の可能性があるから、組織を取って、検査したいと言われたと告げた。令二さんは、未成年の時から煙草やっていたものなーと善継がいうと、そうなんだと認めた。

 そこで相談というのは、今度、肺の組織を金具で、つまんで取り出す検査の時と、その次の検査結果の報告の時に,一緒についてきて欲しいのだけれどと言われた。前もって、日時を教えてくれれば、その時間空けるようにすると答えた。いつも、悪いなと言い、俺、ちょっと、いきがってるけど気が小さいんだよと言うと、善継が知ってると笑った。そして、折角来たんだから昼飯食って行けと言われて、ご馳走になった。俺も、年だけ食って、独り身は辛い、と言っても、結婚してくれる女はいないしなと、寂しそうに笑った。

 そして善継は、昼食を食べて、帰って来た。3日後の10月15日、検査日が10月17日、午前中、結果の報告が10月24日の午前中と決まったと令二から善継に連絡が入った。この話は、特に、奥さんには、話さずに、ちょっと出かけてくると言って、家を出た。17日に10時に呼吸器科に行くと、受付の前に、令二が、重苦しい顔で、順番を待っていた。善継が、行くと、安心た様で笑顔になり、今朝、絶食で、腹減って、参ったよと言った。

 昨晩、今日の朝食を抜くことと病室に1泊する様にと電話が入ったと言った。そのため着替えも用意したと言った。すると10分位して、井方令二さんと呼ばれ、行くと、これかた、検査室23部屋に行って下さいと言われ、エスカレーターで2回へ上がり、23番の気管支鏡検査室の前の長椅子に座った。10分程で呼ばれ、令二が、行ってくるわと言い、検査室に入った。

 1時間近くして、検査室をできてきた時には、看護婦さんが念のためと言って、車椅子に乗せて、病室へ行きますと言った。そこで、善継が、じゃーこれで俺、帰るわと言うと、令二が、頭を下げた。そして、翌日の午後に令二から電話でありがとう。俺、病院が、苦手で一緒についてきてくれて、心強かったと言った。
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