第2話 編み物

文字数 599文字

父には紺、母には黒、祖母にもやっぱり黒。色を選び終えたら、次は毛糸の太さについて考えました。
母は、そうだな、ネックウォーマーにしようかな?祖母には…手袋がいいや。
編むのに時間がかからないよう、太い毛糸を取り出します。
お父さんには、そうだ、ニット帽にしよう。
父はよく帽子をかぶっていたので、ニット帽がいいのではと思いついた私。でも、ニット帽を太い毛糸で編むのは少し違和感があります。
「仕方ない…大変だけど、普通の細い毛糸であもう。」
百均に着いたら、即座に編み物のコーナーへと急ぎました。手芸屋さんで買うほどの金銭的余裕はなかったので、百均なら、と前から思っていたのです。
このくらいかな、とかごにたくさんの毛糸を詰め込みました。
千円は超えるだろうけれど、まあ仕方ないか。
あとは、編むのが間に合うかどうかの問題です。

家に帰ると、インターネットで調べながらすぐに編み始めました。創作の味方ですよね、インターネットは。 
時々違うことも書いてあるけれど、と、苦笑いをしながら着々と編み物を進めて行きます。

そうした時間は過ぎて行きました。
二、三週間ほど経ったでしょうか?やっと編み終わった、と日付を見ると、もう二十三日です。
「明日がクリスマスイブかあ…間に合って良かった。」
けれど、最後に一つだけ大きな問題が残っていました。一番の問題は…。
「お父さん、帰ってこれるかな…?」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み