序
文字数 431文字
これを聞くと、大体の人はこんなイメージが浮かぶ――死者への冒涜する職業だと。「アンデッド」を作って、世界を荒らす人達だと……
勝手に死者の死体を弄んで、いじって自分の助力にするとか、無理やり契約を交わせられて、自分の身を死体に守らせるとか、他に色々変なことをやらせるとか……
とにかく、あまりいい印象がないヤツらだ。
しかし――
「バルードさん。あなたは……『未練』が残っている。その『未練』は、私に聞かせてもらえませんか?」黒いマントに黒い髪の――まさに死霊術師のイメージである外見――綺麗な女性が空虚な声でそう呟いた。
普通なら、色々質問したいところだった……
けれど、俺――バルードが女性の問題に正直に答えた。
「……俺は、冒険したかった。」
――俺はこの女性と出会って、死霊術師に対しての「常識」が全く違ったということは、後々やっとわかってきた。
今の俺は、スケルトンだ。
スケルトンバルード、俺は死霊術師によって、「アンデッド」になっていた。