創造を喰らうモノ

文字数 369文字

ある日、世界が壊れた。
神なのか悪魔なのか、何だかよくわからないものがたくさん世界に現れたのだ。

そしてそれらは自分の望むものをこの世界で貪った。

人間を食うもの、不幸にする事を好むもの、崇められる事を望むもの、様々だった。

そんな混沌に落ちた世界で、それらと共存する者が現れた。
望むものを渡す代わりに願いを聞いてもらう。

そして私の前にも変なのがいる。

そいつは「創造」を喰う。

ところがどっこい。
こちとら無駄に小説ばかり書いている芽も出ない駄目作家だ。
審査落ちした小説なんていくらでもある。

「頼む!好きな話をくれてやる!」

目の前の親子を守ろうと私はそいつに頼んだ。
そいつはリストを眺め唸る。

「……新作だ、新作を書け!」

「は?」

「これらはもう読んだ!新しい話がいい!!」

どうも鮮度に拘るらしい。

世界の終わりが来ても、私は書く呪縛から逃れられない様だ。
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