オバケレインコート
文字数 363文字
今日も私は歩く。
いつものオバケレインコートを着て。
歩く、歩く。
降り注ぐ、冷たい言葉。
刺すような言葉。
どこの誰が呟いているのか私は知らない。
でも、私にはオバケレインコートがあるから平気。
私の上を、レインコートのビニールの上を、それは滑り落ちていく。
溜まったそれに、バシャンと飛び込んだ。
散り散りに飛び散っていく言葉たち。
さよなら、さよなら。
次に生まれてくる時は、虹を生む言葉になれるよう明るく手を振る。
理不尽な要求。
理不尽な言葉が私に降り注ぐ。
でも平気。
だって私はオバケレインコートを着てるから。
レインコートのおばけが私の代わりににっこり笑う。
無意味なすみませんも、皆、おばけが言ってくれる。
中の私は何一つ濡れていない。
だから大丈夫。
「……大丈夫?」
その言葉に顔を上げる。
言葉の傘が差し掛けられる。
レインコートの下が涙で濡れた。
いつものオバケレインコートを着て。
歩く、歩く。
降り注ぐ、冷たい言葉。
刺すような言葉。
どこの誰が呟いているのか私は知らない。
でも、私にはオバケレインコートがあるから平気。
私の上を、レインコートのビニールの上を、それは滑り落ちていく。
溜まったそれに、バシャンと飛び込んだ。
散り散りに飛び散っていく言葉たち。
さよなら、さよなら。
次に生まれてくる時は、虹を生む言葉になれるよう明るく手を振る。
理不尽な要求。
理不尽な言葉が私に降り注ぐ。
でも平気。
だって私はオバケレインコートを着てるから。
レインコートのおばけが私の代わりににっこり笑う。
無意味なすみませんも、皆、おばけが言ってくれる。
中の私は何一つ濡れていない。
だから大丈夫。
「……大丈夫?」
その言葉に顔を上げる。
言葉の傘が差し掛けられる。
レインコートの下が涙で濡れた。