念力とペンギンと残業

文字数 2,248文字

 会社の薄暗いオフィスで、時計の針がチクタクと音を立てながら回る。私はデスクに山積みになった書類を睨みつけ、深いため息をついた。時計はすでに夜の10時を指しているが、残業は終わりそうもない。

「タケシさん、今日も遅くまで残業なの?」
 背後から同僚のアヤが声をかけてきた。彼女もまた、疲れ切った表情でデスクに向かっている。
「そうみたいだね。君も残業?」
 私は疲れた笑みを浮かべながら答えた。
「うん、でもあと少しで終わるから。あなたも頑張ってね」

 アヤが去った後、私は再び仕事に集中しようとしたが、目の前の書類がぼやけて見える。どうにかしてこの状況を打破しなければならないと感じたその瞬間、頭の中に一つのアイデアが閃いた。念力だ。そうだ、もし念力が使えれば、この書類を一瞬で片付けることができるかもしれない。
 そう思いながら、私は目を閉じて心を集中させた。イメージするのは、デスクの上の書類が一枚ずつ空中に浮かび上がり、整理されていく様子。だが、当然ながら何も起こらない。そんな馬鹿みたいなアイデアを思い付いたのは、きっとただの疲れのせいだろう。

「そんなことできるわけないじゃないか」と自分に言い聞かせ、再びペンを取った。しかし、その時、奇妙な感覚が全身を包み込んだ。何かが変わったような気がしたのだ。目を開けると、デスクの上の書類が実際に動いていた。驚愕して後ずさると、書類は静かに元の場所に戻った。
「何だ、今のは…?」
 私は呆然としながら呟いた。だが、その不思議な現象は一度きりで終わらなかった。続けて念力を試みるたびに、少しずつ物が動くようになってきた。


 その後数日、私は夜な夜な残業しながら念力の練習を続けた。何度も失敗しながらも、徐々に制御できるようになっていった。しかし、心の奥底では、何かが間違っているような気がしてならなかった。まるで見えない何者かに操られているような感覚だ。

 ある夜、オフィスを出た私は、家に帰る途中の公園で足を止めた。ベンチに座って考え事をしていると、不意に目の前にペンギンが現れた。ペンギンがこんな場所にいるはずがないと思いつつも、その愛らしい姿に少し癒された気がした。

「やあ、こんな時間に一人かい?」
 ペンギンが話しかけてきた。
「えっ、君、話せるの?」
 私は目を丸くして驚いた。
「まあ、君も色々と驚くことが多かっただろう。でもね、君が念力を使い始めたのは偶然じゃないんだ」
「どういうこと?」
 ペンギンは目を細めて微笑んだ。
「君がその力を得たのは、我々の計画の一部だったんだよ」
「我々?」
 私は混乱した。
「そう、我々は遠い星から来たんだ。君たち人間がどれだけの力を秘めているかを試すためにね。君は選ばれたんだ、タケシ」
 ペンギンの言葉に、私は混乱と驚きの中で立ち尽くした。突然、全てが白日のもとにさらされた気がした。これまでの出来事が一つの線で繋がり、全てが腑に落ちた。

「でも、なぜ私なんだ?」
 ペンギンは静かに答えた。
「君は特別だからだ。これからもその力を使って、我々の計画を手伝ってもらう」
 その瞬間、ペンギンの姿は消え、私は再び一人公園に立っていた。すべてが夢のようであり、現実のようでもあった。しかし、心の中には確かな変化が起きていた。私はこれから何をすべきか、何となく理解していた。

 翌日から、私は新たな視点で仕事に取り組んだ。残業も以前のように苦痛ではなくなった。なぜなら、私は自分の中に秘められた力を知ってしまったからだ。そして、その力をどう使うかは、これからの私次第だ。

 奇妙で不思議な体験は続くかもしれないが、私はもう驚かない。なぜなら、この世界にはまだまだ知らないことがたくさんあると悟ったからだ。


(使用AI:GPT-4o)←最新AI!

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「GPT-4 Turbo」の後継の「GPT-4o」が無料版でも使用できると知ったので、さっそく使ってみました。ただし、無料版は有料版に比べて使える容量が5分の1。使い切ると「GPT-3.5」に切り替わります。でも3時間待てばまた使用できるようになるけれど。
(「GPT-4o」の「o」は「omni オムニ」「すべて/全能」という意味。様々な用途に使えます)

「GPT-4o」は文字の出力がすごく速くなりました。「GPT-4 Turbo」だと出力されつつある文章を目で追って、その速度で読むこともできましたが、「GPT-4o」だと早すぎて無理です。
書いてもらった小説の内容的には今までと大差ない感じですね。一応書けるけど、そんなに上手ではないかな。まあ、小説用のAIじゃないですし。

これは「GPT-4o」のデモ動画で見ただけですけど、AIとの音声会話がタイムラグなしで、ほぼ人間と話しているのと同じようにできてしまうのがすごいです。ちゃんと感情が入っているような自然な会話。
SF映画などでAIのようなものと音声で会話をしている場面がありますけれど、もうすぐそんな時代になりそうです。コンピューターにキーボードでガチャガチャと入力しなくても、音声入力だけですべてが完了してしまう、そんな時代がもうすぐ訪れます。

(これは余談ですけど、『スタートレックIV 故郷への長い道』で、エンタープライズ号のクルーが当時の地球にタイムワープでやって来て、音声入力ではないコンピューターに驚いて「何っ! 手で入力するのか、面白い!」と言っていた場面がありましたね~)


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