第13話 リン(20代)第1回02

文字数 1,275文字

ありがとうございまーす。よいしょ。ちょっと待ってくださいねー。
はい。


(しばし沈黙)


OKです。ありがとうございまーす。
はい、よろしくお願いします。
上にタオルかけますねー。
はい。
あ、音楽かけるの忘れた。アハハッ ごめんなさい。
はい。
はい、ごめんなさーい。
…。
…。
あの、リンさんってかなり人気のひとですか?
アハハッ いや、ぜんぜん! 言っちゃおうか、自分で。「はい、めっちゃ人気です!」って。アハハッ ぜんぜん、ぜんぜん! そんなに出勤してないからー。
うん。
出るときに集中するだけで、そんなに人気ないです。アハハッ
いや実は、この前電話したときより前にも何回か電話したことがあって…。
あ、そうなんですか!
そうなんですよ。
そのときは休んでなかった?
うん、休んでなかったけど、「いっぱいです」って言われて。
あ、そうなんだまじでー。
だから、すごく人気あるなあって思って。
えーぜんぜん。けど、埋まっちゃうときは早いときもあります。早いときは早い、って感じで。
なんていうか、事前予約で埋まっちゃうみたいな感じなの?
そうですね。でもほんと、それも1週間前に出して、どれぐらいだろ? 次の日とかに予約が入って、だいたい3日前とかですかね? 埋まるときは。
うん。
でも、深夜帯が埋まりやすくて、22時とかから3時までとか…。
なるほどね。
なんですけど、19時とか20時、21時あたりだったら、わりといつも当日まで空いてることとかぜんぜんあります。
なるほど。そこらへんが狙い目…。
深夜帯にね、けっこうみんな入れがち。アハハッ
うん。
仕事して飲んで帰ってきてマッサージって感じで。
なるほど。
お名前、○○さんですよね?
あ、そうです。○○です。
なんかあたし、いっとき店舗も出勤してたんですけど、○○さんと同じ名前のお客さんいて、そのかたなのかなって思ってたんですけど…。
ああ、なるほどね。
そう。で、あたし、そのお客さんちょっと苦手だったから。アハハッ よかった、って思って。あのひとじゃない、って思って。
よかったです。
よかったです、こちらの○○さんで。で、今痛いところとかありました? 大丈夫?
はい、大丈夫そうです。
けっこう強めのほうが好きですか?
いや、ふつうで…。
ふつうで大丈夫? 痛かったり、ものたりなかったりしたらすぐに言ってください。
はい。
…。
あれなんですね、リンさんみたいなひとでも苦手なタイプのお客さんとかいるんですね。
います、います、ぜんぜん大量にいますよー。
そうなんだ。
あたしけっこう好きなひとはすごく好きなんだけど、けっこう苦手と好きがめっちゃはっきりしてると思ってるので。
そうなんだ。
なんか店舗のお客さんのほうが、ちょっと、なんていうんだろうな、くせ強めというか、気難しい感じのかたが多くて…。
あ、そうなんだ。
そう。なので最近は出張しか出勤してないんですけど…。
出張のほうが、けっこうふつうのひとっていうか…。
あ、でも優しいひと多い。
あ、そうなんだ。
うん。なんか店舗のひとはちょっと厳しめ。なんか時間とかにも厳しいし。
そうなんだ。
そう。そういうかたが多いイメージ。
…。
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