第3話 口の達者なシャチ女王  結婚式準備に惜しみなく口を出す その結果 

文字数 1,291文字

これは、生まれ変わったら
水族館のクラゲになりたい私が
シャチ女王の息子と結婚してしまい
結婚式場探しから
結婚式に至るまでの
数ヶ月間のお話。

〜口の達者なシャチ女王
 結婚式準備に惜しみなく口を出す

結婚式場を探している中で出会った
とてもステキな式場。

「あんたたちはそんなオシャレな場所で式をあげることはない」
シャチ女王のその一言で速攻却下に。。。

結局、女王様指定の結婚式場で結婚式をあげたけれども
準備も
結婚式当日も
シャチ女王に振り回されるのでした。

一族の中で同時期に結婚式が3回あり
他に負けない結婚式に!
1番豪華で1番良い結婚式に!

と、対抗意識  全開。

張り切るシャチ女王様。

でもね

女王様はお金にはシビアなので
出すのは口だけ。
いつでも口だけ。

女王様が一言物申せば
周りがすぐに動くのです。


ウエディングフェアも
衣装合わせも
料理の試食会も

シャチ女王の予定に合わせて。

シャチ家族の末っ子(雄)ももちろん一緒。
ちなみに、末っ子(雄)が来られない時には謝られる。
正直どうでもいい。
というか、いなくていい。


例えば衣装合わせ。

生まれ変わったら水族館のクラゲになりたい私は
ただ浮いていればいい!
着飾る必要はない!
とばかりにパパパッ!!と終わりました。

シャチ女王好みのドレスを着せられたけど
水族館のクラゲを夢見る私には
似合わなかったらしく不満顔。

「私は若い頃には何でも似合ったわ」

女王様は色んなドレスを手に取り、昔に思いを馳せる。

シャチ女王の息子の衣装合わせは目の色を変えて。
上下左右くまなく見渡し
「あぁでもないこうでもない」
と、精査が続く。

シャチに似合う服は難しい。

精査の合間にもシャチ女王は自分の体験談を語る。
「私たちの結婚式のときには、
前女王が私のドレスをパパッと
選んでしまったのよ。
それなのに自分の息子の衣装には時間をかけて。
何着も着せていたわ。
全く、主役は雌の私なのに」

それはまるで、
目の前で見ている光景そのもの。

自分も同じことをしている
自覚はないらしい。

と察し、水に漂うクラゲのように
自然を装ってシャチ女王から距離をとる。


お店の方に
「大変そうですね」
と眉をさげられてしまいました。。。


例えば料理の試食の日程。

シャチ女王だけではなく
当時学生だったシャチ家族の末っ子(雄)も
行ける日にするように指示を受ける。

他にも何かと
女王様は全てを把握する必要があるらしい。

それは、一銭も出さないお金のことまで。

出せる口は惜しみなく出してくれたシャチ女王。


生まれ変わったら水族館のクラゲになりたい私の精神は
削られ続け

結婚式1週間前。

突然、右耳が聞こえなくなりました。

女王様の言葉を強制シャットダウン。
片耳聞こえているからあまり意味はないけれど。
クラゲに憧れる私にできる
精一杯の抵抗だったはず。


結局、片耳聞こえない状態での挙式と披露宴。
結婚式後に予定していた新婚旅行も
通院のためにキャンセルしたのでした。


結婚式当日も色々あったけれど
シャチ女王様にとっては
大満足の結婚式だったようで
上機嫌♫

いったい誰の
何のための
結婚式だったのでしょうか。。。

水族館のクラゲに憧れる私は
結婚早々
シャチ家族の強烈さを目の当たりにしたのでした。

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