えんやこらせーどっこいせ

文字数 1,205文字

関西ローカルのテレビ番組を見てたら、夏の定番ソングというランキングを発表してて、去年もこのテレビって同じことやってたよな。。。とデジャヴ味がすごかった。
ワタシ個人的にはこういうランキングはイマイチぴんと来ない。
そもそも納得いかないのは、河内音頭がランクインされてないことだ。
大阪の夏といえば河内音頭じゃろがい。
ワタシは遠くから聞こえてくる「河内音頭」が最高に好きだ。
河内音頭は大阪だと多分、どこの盆踊りでも流れる曲だし、夏しか聴かない。
それにどの年代でも知っている、まさに夏の定番ソングじゃないか。
今年も去年も一昨年も町内の盆踊りが中止になったので、寂しいことに、三年も聴いてないことになる。
今年は直前まで開催予定だったので、結構楽しみにしてたのだ。
このご時世じゃ仕方ないかも知れないけど、めちゃくちゃ残念だ。
田辺青蛙の怪談本に、この河内音頭のことが書かれていたので初めて知ったのだが、河内音頭の演目に「河内十人斬り」というのがあるらしい。
河内十人斬りは、今で言う大阪府唯一の村、千早赤坂村で、明治26年に起こった殺人事件の名前だそうで、Wikipediaには博徒の熊五郎が、妻と密通していた男と、その家族十人を、舎弟の弥五郎と共に殺害した事件と書かれていた。
(十一人目は弥五郎?)
産経新聞のオンラインサイトの記事↓
https://www.sankei.com/article/20130720-GCPDFSGBXFN67GX4MY26ZXMYY4/?outputType=amp
上記では、事件前に熊五郎自ら作った墓のことも書いてある。
死なば諸共という熊五郎の気合いの現れなんだろうか?凄いな、熊五郎。
熊五郎が博打うちでお金のない男だったのも問題だし、嫁は浮気するし、義母はエゲツないし、その上ボコられて借金も踏み倒されるとか、登場人物が全員悪人のマカロニウエスタンみたいな話だ。
ただし、弥五郎だけは良いやつという気がする。
それにしても顔の皮を剥ぐなんて、正気の沙汰とは思えない。
きっともう、怒りに狂って正気を保てて無かったんだろう。知らんけど。
そんな河内十人斬りを題材に書かれた歌は、冒頭から「十人までは仕留めたが」という歌い出しで始まる。
凄い歌詞だ。
盆踊りの歌の歌詞なんてちゃんと聴いたことが無かったので、全然知らなかった。
十人斬りは代表演目だそうだが、ワタシは合いの手くらいしか覚えてない。
加害者だけでなく、被害者の実名いりの歌で「えんやこらせーどっこいせ」とか調子のいい合いの手を入れてるんだし、今なら大炎上しそうな気もするのだが、当時は識字率が低かった為、この河内音頭の「新聞詠み」という歌によって事件を知るという人も沢山いたらしい。
盆踊りの歌(音頭?浪曲?)に、情報媒体としての側面があったことにも驚いた。
町田康がこの河内十人斬りを題材に「告白」という小説を書いてるらしいので、読んでみようと思う。

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