第20話 株式会社GEARの裏側3
文字数 1,437文字
ささやかながら歓迎会ということで、簡素ながらも石原の挨拶で飲み会は始まった。金城は前職ではありえない光景に戸惑いながらも、新しい環境に適応するべく気持ちを切り替えようとしていた。ただ、どうしても切り替えきれない部分があり、宴席の開始早々、石原に質問をしてしまった。
「GEARではいつもこんな時間から飲み会をするんですか?」
その質問の意図をくみ取った石原はまた言葉足らずになっていることを反省し、きちんと言葉にして意図を伝えることにした。
「そんなことはない、というか今まではほぼ僕が一人でやっていたからね、あぁ、でも一人で事務処理をするだけの日は軽く飲みながらやってたかな。」
石原にはにかみながら続けた。
「ただ、今日は金城さんもたくさん聞きたいことがあったみたいだし、桜井くんも質問に答えるだけに終始するなら、お酒を飲みながらでも良いかな、と思ったんだよね。」
金城は確かに自分が質問攻めをすることで、桜井の仕事が進まなくなることがあるのは自覚していた。だからといってお酒を飲むのはどうかな、、、と思っている様子を見て石原は続けた。
「あとはね、、、金城さんって僕にはあんまり質問してこないでしょ。」
石原はそう言うとまたいたずらっ子のような目をした。
「そ、それは、、、なんとなく前にいた会社でも質問はえらい人に聞く前に、年の近い先輩に聞け、って指導されていたので、、、」
「ははは、もちろんわかってるよ。金城さんなりの意図があってやってくれてるってことはね。もちろん桜井を質問攻めにしてくれることはとっても大切なことだから、これからも続けて欲しいけど、僕にもどんどん質問してくれて良いからね。」
石原はこんな小さなチームで偉いも何もないよ、と続けなら美味しそうに地ビールを喉に通した。それを見て金城も一口飲んでつぶやいた。
「たしかに、、、なんのために偉い人に聞いてはいけないか、ってことを考えられてなかったですね、、、」
「そうだね、どうしても大きな組織で働いていると、集団心理も働きやすくなって、なんのためにということを忘れてしまいだよね。」
桜井も何とか金城との会話に参戦するべく、石原に教えてもらった話を自慢げにねじ込んできた。
「だって社長、うちってそもそも給料も社長が一番高い訳じゃないですもんね!」
「そうだね、給料が高い=偉いってことでもないけど、、、まぁうちは給料が自己申告制でしょ。たくさん稼ぎたい人はどんどん稼いでもらう、逆に収入はそこそこでも、時間がたっぷり欲しい、って人はそうできる制度だからね。」
「最初に聞いた時は私もびっくりしましたけど、すごい制度ですよね。」
「う~ん、すごいかどうかはわかんないけど、本質的に考えたら別に社長の給料が高くある必要もないし、偉い必要もないしね、、、」
正直、社長ってのもむず痒いから名前で呼んで欲しいんだよね、と独り言のように石原はつぶやきながら地ビールを通した。もう一本目が空きそうになっていた。
「じゃ社長じゃなくて、石原さんって呼びますね!」
金城はそう言うと、石原さん、ビールのお代わり持ってきますね、と言いながら冷蔵庫に向かった。石原は、自分で、、、と言いかけたがそれより早く金城は出て行ってしまった。それを見た桜井は慌ててビールを飲み干して、自分のお代わりを取りに冷蔵庫に向かった。その様子を見て石原はまた微笑ましく思った。
「GEARではいつもこんな時間から飲み会をするんですか?」
その質問の意図をくみ取った石原はまた言葉足らずになっていることを反省し、きちんと言葉にして意図を伝えることにした。
「そんなことはない、というか今まではほぼ僕が一人でやっていたからね、あぁ、でも一人で事務処理をするだけの日は軽く飲みながらやってたかな。」
石原にはにかみながら続けた。
「ただ、今日は金城さんもたくさん聞きたいことがあったみたいだし、桜井くんも質問に答えるだけに終始するなら、お酒を飲みながらでも良いかな、と思ったんだよね。」
金城は確かに自分が質問攻めをすることで、桜井の仕事が進まなくなることがあるのは自覚していた。だからといってお酒を飲むのはどうかな、、、と思っている様子を見て石原は続けた。
「あとはね、、、金城さんって僕にはあんまり質問してこないでしょ。」
石原はそう言うとまたいたずらっ子のような目をした。
「そ、それは、、、なんとなく前にいた会社でも質問はえらい人に聞く前に、年の近い先輩に聞け、って指導されていたので、、、」
「ははは、もちろんわかってるよ。金城さんなりの意図があってやってくれてるってことはね。もちろん桜井を質問攻めにしてくれることはとっても大切なことだから、これからも続けて欲しいけど、僕にもどんどん質問してくれて良いからね。」
石原はこんな小さなチームで偉いも何もないよ、と続けなら美味しそうに地ビールを喉に通した。それを見て金城も一口飲んでつぶやいた。
「たしかに、、、なんのために偉い人に聞いてはいけないか、ってことを考えられてなかったですね、、、」
「そうだね、どうしても大きな組織で働いていると、集団心理も働きやすくなって、なんのためにということを忘れてしまいだよね。」
桜井も何とか金城との会話に参戦するべく、石原に教えてもらった話を自慢げにねじ込んできた。
「だって社長、うちってそもそも給料も社長が一番高い訳じゃないですもんね!」
「そうだね、給料が高い=偉いってことでもないけど、、、まぁうちは給料が自己申告制でしょ。たくさん稼ぎたい人はどんどん稼いでもらう、逆に収入はそこそこでも、時間がたっぷり欲しい、って人はそうできる制度だからね。」
「最初に聞いた時は私もびっくりしましたけど、すごい制度ですよね。」
「う~ん、すごいかどうかはわかんないけど、本質的に考えたら別に社長の給料が高くある必要もないし、偉い必要もないしね、、、」
正直、社長ってのもむず痒いから名前で呼んで欲しいんだよね、と独り言のように石原はつぶやきながら地ビールを通した。もう一本目が空きそうになっていた。
「じゃ社長じゃなくて、石原さんって呼びますね!」
金城はそう言うと、石原さん、ビールのお代わり持ってきますね、と言いながら冷蔵庫に向かった。石原は、自分で、、、と言いかけたがそれより早く金城は出て行ってしまった。それを見た桜井は慌ててビールを飲み干して、自分のお代わりを取りに冷蔵庫に向かった。その様子を見て石原はまた微笑ましく思った。