作品数16
総合評価数451
総合PV数30,006

作者ブックマーク

ファンレター

  • 夜を切り抜けろ

    心に刺さる言葉がちりばめられながら、流れるようにリズミカルな「語り」。吸い込まれるように読み終えました。 「コンプラ」「コンプラ」と言いながら、依然として残る不文律。男性に都合のいい価値観の押しつけ。それでも笑っている「わたし」……。読んでいて、なんだか泣きたくなりました。 公園のシーンは、情景がありありと目に浮かぶ……というより、自分もベンチに座っているような気分に…… そして、ラスト……ちゃんと「お酒が飲みたくな」りました^^ タイトルもいいですね!

  • 錯綜する「語り」

    この作品には物語としての面白さ、魅力だけでなく、実験性が感じられて、毎回わくわくしながら拝読しています……! 「こどものじけん」が、複数の当事者の「眼」から語られることによって、「語り」が錯綜し、「じけん」の――というより、私たちが生きる「世界」の複雑性が浮かび上がってくる過程が、すごくスリリングです。 人は皆、自分だけの「世界」の中で生きていると言えますが、その「世界」は小さいながらも、「学校」、「家庭」、「友達」など「複数」存在していて……。しかも現代はSNSがあるために、その「世界 ... 続きを見る

  • 美鈴(ベル)の完璧な世界㉒

    キターー! 今回の語り手は「あの子」!! 最初、しゃべり方から軽い印象のあった「あの子」だったけど、段々と「この子って実は大人かも……」という印象に変わってきて、最近のお気に入りだったのです。思わずファンレターを書いてしまいました。 内面の醸成を助けた経緯が明かされたりして、私にとって嬉しい回。群像劇大好きです、今回も美味しく味わいました。 ドラゴンや魔法が出てこなくても、日常はこんなにもスペクタル。思春期特有(しかも女子)の、想念エネルギーが火花を散らして一触即発状態ですね、次回も楽 ... 続きを見る

  • 外気温38℃の“凍えた世界”

    ふみさん、この作品の文体、クールでありながら、心にぐいぐい刺さってくるようで、私はとても好きです! 外気温は38℃でも、ここは〝凍えた世界〟――だと感じました。 リアルな近未来の描写も、物語も、不自然さがまったくなく、とてもお題に沿って描かれた作品とは信じられません…… 特にラストの二行は、読んでいて鳥肌が立ちました! 壮大で、悲痛で……でも、ここには確かに、小説でしか描けない「美しさ」があると思いました……

  • 私の好きなテイスト

    羽庫さん、私、この作品すごく好きです。 人によって感想はそれぞれかもしれないけど、私はとても爽快な読後感でした。書くことを少し躊躇してしまいそうな事柄を、スパーンと振り切って描かれていているからでしょうか。 描かれているのが近未来ともとれるし、薄皮一枚隔てて既に存在している平行世界とも感じます。子どもの代わりに、ペンギン育てる描写のリアルさよ。そして世界に散りばめられている呪いよ。羽庫さんの透視能力、すごいです。 私、タワマン文学大好きなので(あと陰湿金融文学も大好き 笑)タグ見て読んだら ... 続きを見る

  • 〇〇、とは何なのか。

    みどりちゃんが見ている「世界」が、読者の眼にも次第に明らかになってくる感じがしました。 アサヒさんや美鈴ちゃんも、当然その「世界」の構成要素であるわけですが、今回特に「みどりちゃんの眼に映る美鈴」、つまり、みどりちゃんの「世界」における「美鈴」という存在が鮮明に描かれていて、とても面白かったです! そして、ラスト近くの「〇〇、とは何なのか。」という言葉……すごく印象的でした。みどりちゃんの思考は、ある意味哲学的ですよね。彼女がこれから何を考えるのか、そして物語はどう変化していくのか…… 次 ... 続きを見る

  • まさしく16歳の物語

    最初に読んだとき、「さすが羽庫さん、上手いなあ、文章もリズムがあって音楽みたいだ」と感嘆して。 そして今日、再読したら、いや、もう、胸が詰まってラスト涙ぐんじゃった。(マジです) 主人公の言う「人生は罠だらけ」は本当にその通り。あるきっかけで、沈み込んでしまった主人公は、その「負け感」を抱えながら日常を生きている。(わかる、私の高校時代みたい) でもサチの演奏を聞いて、主人公の心に鮮烈な光が注ぎ込まれるイメージの洪水!!  私もエモい、ひたむきに前を見て頑張っている若者は全員エモい。羽庫 ... 続きを見る

  • はじめましてm(__)m

    敬愛する南ノさんやるるせさんがレターを出されていたので、きっと私の好みの作品(タイトルも好き!)だろうと期待して読ませていただきました! そして、期待以上の作品に感動しましたので、レターを送らせていただきます。 私は仕事柄、コンクールの現場に立ち会うこともよくあります。 絶望的なぐらいに恵まれた子っていますよね。 勉強もスポーツも超優秀なのに、音楽も全国レベルかよっ!って子が沢山いる中、懸命の努力で何とかギリギリで本線に進めた子も当然いるわけです。 コンクールを舞台にした小説って、 ... 続きを見る

  • ワルツは一人じゃ踊れない

    クラシックについてあまり明るくないのですが、リストの曲は技巧が求められる、という印象を持っています。コンクールの成績が芳しくないサチの演奏はきっと技術、という意味での技巧には足りないところがあるのでしょう。でも彼女の演奏には「エモい」何かがあった。 義務教育期間が終わり、見せかけの平等が剥ぎ取られた世界を前にして不安と諦めを強くもつ「私」は、サチの演奏を聴くことで、人間ひとりひとり(そして彼女自身も)が本来持っているエモーションに気づけた。そのことが大人になって久しい私には眩しく思えます。 ... 続きを見る

  • 優しさと力強さ

    まさにガチャが成功した「譜面通りの人生」の奴とガチャはいまいちでも「即興で生きる奴」の対比を感じました。当然、譜面というかレール通りになるかはわからないのも人生だけど。 リストの即興的ワルツをアップルミュージックで聴きながらこれを今書いているのですが、優美さだけでなく、ところどころ怒濤のような音が瞬間、訪れます。短い曲の中にウィキの言葉を借りれば「巧みな構成」があり、僕は曲の背景は知らないけど、この構成が即興「的」であり奏者のイマジネーションが羽ばたける楽曲なのだな、と思いました。 音楽って ... 続きを見る

  • 16歳の「ワルツ」

    心に響く作品でした! 作中での「即興的ワルツ」というピアノ曲の盛り上がりが、そのまま物語の高まりとなり、心が揺さぶられました。 跳ねるように鍵盤が躍る様が、その音が、鮮やかに目に映り、耳に聞こえました。 世の中は元から不平等で、恵まれた人と自分ではスタート地点からして違う。自分もあの頃は、「サチ」や「私」と同じように世の不条理を思い知りつつ、もがいていたっけ……そんなことを思い出し、胸が熱くなりました。 「16歳」という言葉はどこにも出ていなくても、紛れもない「16歳」の物語だと感じまし ... 続きを見る

  • タイトルから刺さる

    一番最初に読んだとき、「羽庫さんは、新しいことにチャレンジしている……」と感じました。 ドキュメンタリーのようなクールな筆致、なのに、どんどん酩酊していくような……。事件を追っていたはずなのに、いつの間にか迷宮に足を踏み入れてしまったような読後感は、怖くもあり新鮮でもあり。ぐいぐい引き込まれました。お見事です。 それから、『こどものじけん』の「美鈴の完璧な世界」、盛り上がりをずっとキープしているの凄いです。あわせて「ループ・ゼロ・アワー」も好き!

  • 短編として素晴らしいラスト

    「大人・妖精・探偵」のお題、特に異なるエリアに属する後ろ二つが融合し、最後に「大人」の意味が読者を殴ってくる素晴らしい短編でした。 羽庫さんの作品はどれも目配りが行き届いているのに、「作られた感」がなくてすごいと思っているのですが、今作はその本領がフルスロットルで発揮されていると思います。感服です。

  • 事件が解決した後に…

    面白かったです!! お題に沿って書かれたとは思えないほど自然な物語となっているところが、先ずすごいと思いました。 そして現代を鋭く切り取るような問題意識は、いかにも羽庫さんの作品という感じですね。しかも僅か1999字で、ミステリーとしてもしっかり面白く、物語の楽しさを堪能しました。 事件が解決した後、かえって謎が深まるようなラストも、私はとても好きです~(*^^*)

  • 物語は次のステージへ

    前回続きがとても気になるラストだったので、最新話公開後すぐ読みにきました! 実は私は、もしかしたらみどりちゃんは一貫して他者の目から描かれるのかも…と思っていたのですが、この最新第16話で、初めてみどりちゃんの“内面”が描かれましたね! 作者である羽庫さんがみどりちゃんの内面に踏み込んでいくことによって、物語が次のステージに入った気がしました。とっても読み応えがあって、面白いです!! しかも、今回のラストも、すごく続きが気になる~^^ 「塾」でいったい何が起こったのか? 次回の ... 続きを見る

  • 事物たちの各視点に対する愛着

    最初のエピソードから追っていくと、段々と、現実でこどもたちとなんらかのかたちで関わっていないと書けない物語になっていくのが好きです。登場人物のそれぞれのまなざしが、(ある程度ミックスしていても)モデルになるような出来事や人物がいるんじゃないかな、というくらいに、繊細な感情の機微を描きだしているのですよ、特に美鈴の物語になってから。また、この作品は「こどものじけん」と名指すくらいだからだいぶ「大人としての作者からの視点」が入っているのかな、と思っていたのですが、正しいとか間違いとかを対置させる安易 ... 続きを見る

  • 「教室」という特殊空間

    「美鈴(ベル)の完璧な世界」最新第13話を拝読しました。 前回に続き、「先生」の視点が物語の中に入っていて、ある意味、「先生」VS.「美鈴」という展開が、とても面白いです! 「先生」というのは、「大人」の世界に属しているわけですが、普通の大人とはまた違うんですよね。ふだん「子供」と接しているからか、「子供の視線」というものも持っていて、それが「大人」としての判断力と相まって、独特の存在になるような気がします。「教室」というのはある意味特殊空間で、その中における「先生」と「美鈴」の関係は、会社 ... 続きを見る

  • コンテスト、おめでとうございます!

    最初に拝読した時、「いい話だなぁ」としみじみ感じました。 そして「ミチル」は現実に存在していて、羽庫さんはそれらを近くで「見て」書いているみたい。 一見元気いっぱいだけど無理をしていて、調子を狂わせている(歯車を外してしまった)みたいだけど回復に向かっている、というのがリアルだなぁと。 羽庫さんの作品はテンポよく読みやすく、そして深く響きます。『こどものじけん』も楽しみにしています。

  • おめでとうございます!

    羽庫さん、佳作受賞おめでとうございます! この作品、「わたし」とアヤコさんの関係性が、とても素敵です! 正に「誰かとごはんを食べたくなる話」ですね。 それから、記憶をたどる部分での「/」の使い方がとてもユニークだと感じました。 ああいう状況における、記憶が「断片」として頭に浮かんでくる感じが見事に描かれていると思いました(*^^*)

  • 不穏な空気

    この作品は毎回、子どもたちの心理の動きが、リアルに丁寧に描かれていて、それだけでも読み応えがあって面白いのですが、今回はそれに加え、一種不穏な空気が教室内に満ちていく感じが巧みで、一層引き込まれました! そしてついに起こる、あること――ごく小さな、でも普通ではあり得ないはずの出来事……。すごく印象的でした。 私はアサヒちゃんに感情移入して読んでいるのですが、ラストで、アサヒちゃんと一緒に振り返って、誰もいない教室のドアを見たような気分になりました。 続きが、とっても楽しみです~(*^^*)

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