セリフ詳細

『走る取的』や『乗越駅の刑罰』のように夢にみそうなほど恐ろしい作品もあるし、筒井流歴史小説とも言える『空飛ぶ表具屋』や、『時の女神』みたいに綺麗な作品もあるけど、短編はタイトルだけで笑えるものが多いよ。
『郵性省』なんて、当時の省庁の名前から取ったダジャレだし、作品名はパロディーのオンパレードって感じだね。
『ペスト』に対して『コレラ』、『蟹工船』に対して『蟹甲癬』……もちろん蟹工船とは関係のないSF。『万延元年のフットボール』に対して『万延元年のラグビー』……これも大江健三郎とは無関係な、井伊直弼の首でラグビーをする話で、フットボールの起源を皮肉ってる。
『日本沈没』が売れれば『日本以外全部沈没』、『サラダ記念日』が流行れば『カラダ記念日』、『バカの壁』に対して『アホの壁』と言った具合にね

作品タイトル:苦手な人のためのSFセレクション

エピソード名:その12 日本SFの御三家

作者名:加藤猿実  Sarumi

30|SF|完結|15話|41,200文字

SF小説, 対談, 大学教授, 女子大生と高校生, 初心者向け

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「SFってとっつきにくいですよね」
「SFってサイエンス・フィクションでしょ?」
「もう科学万能の世の中じゃないし,今さらSFってね?」
「たまには読んでみたいけど、何から読んだら良いのかわからない」
そんな風に考えている皆さんのために、SFファンでもあるロボット工学者の森谷幸弘博士にお話を伺いながら、先生がお薦めするSF小説を紹介していきます。
(森谷先生は5年後に小説『Ai needs Yu』に登場する架空の人物ですので、悪しからず)

追記:グレッグ・イーガンがないのは何故か? と友人に問われました。筆車は大好きな作家ですが、森谷先生はイーガンの登場以降SF小説は少し難しくなったと感じているようです。