セリフ詳細

(しみじみと)この東京がね。銀座も丸の内も、焼け野原でしたからね。あんなに大勢の人が……上野のお池に、浮かんで……(目を瞑り、焼け焦げ重なりあった数多の遺体に向かって合掌するかのように)彼も、見てしまったんだな。

作品タイトル:【戯曲】貘を飼う

エピソード名:第二幕第二場(2)

作者名:未村 明(ミムラアキラ)  mimura_akira

59|恋愛・ラブコメ|完結|35話|34,271文字

戯曲, 脚本, 恋愛, 友情, 夫婦, 切ない, 芥川龍之介

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「ねえ、貘。どうして、こんなところまで、来ちゃったんだろう」
芥川の未完の遺稿から着想を得た、オリジナルの戯曲です。
夜ごとの悪夢に悩む作家の龍之介は、夢を食べてくれる貘を飼い始めますが、今度は不眠に悩まされるようになり……。
誠実で、意外にお茶目で、哀しいほど不器用だった芥川の晩年の日々を、彼を見守る周囲の人々の温かいまなざしを通して描いた、静かな作品です。

*2015年度テアトロ新人賞最終選考候補(受賞作は該当作なし)
※「実村文」名義
「テアトロ」2015年10月号に掲載されましたが、その後大幅に改訂。ここに載せてあるのが決定版です。

舞台写真は2012年に上演したときのものです。
【配役】
芥川龍之介……宮崎稲穂 Miyazaki Inaho
芥川文……実村文 Mimura Aya
内田百間……須藤正三 Sudo Masamitsu
平松ます子……渕野陽子 Fuchino Yoko(青年座)
菊池寛……北村伝次郎 Kitamura Denjiro

上演の記録はこちらにあります↓
https://www.unit-sala.asia/works2/dream-eater/