白いスープと死者の街
あれは小学校5年生の夏の時だった。
暑い日差しの中。
裏の畑で友達とできの悪いスイカたちとスイカ割りをしていた。
海を知っている。
でも、僕たちは行った時はなかった。
大きな入道雲。潮の匂い。地平線まで続く大海原。想像はするけれど、ここは山に囲まれた小さい町。御三増町。
「右。左。もうちょっと左。あ、そこだ」
目隠しをして、棒切れを持った僕は友達の篠原君の言葉を頼りに、数十歩先のスイカを見事に一振りで割った。
スイカはパカリと割れて、中の真っ赤な実と種が辺りに散乱した。
スイカの匂いが強くなって、同時に緑の匂いと日差しの蒸し暑さが漂った。
「篠原君はいいね。篠原君の声を聞いていると、スイカのところへ簡単に行けるよ」
篠原君はタイガースの帽子を目深にかぶって、「当たり前だよ」と言った。
「篠原君。こっちもお願い」
藤堂君も目隠しをして、棒切れを構え。蒸し暑いスイカの匂いで嗅覚が駄目になる場所で、右へ三回クルクルと回る。
「もっと右」
「そっちは反対」
裏の畑で不可解な事件に巻き込まれた石井 歩は、子供たちのため事件調査に乗り出した。
やがて、世にも恐ろしい町ぐるみの人間の闇と対峙することになる。
ファンレター
第21話で「花壇に落ちてきた大原先生のような体格の人は?」とありますが、あれ? 19話で亜由美ちゃんが見た花壇に落ちてきた人は羽良野先生では? 大根好きな田中さんは事件には無関係なのかな。本当に犯人は一体誰なのでしょうね。
早くから登場人物紹介にポチっとしていただき、ありがとうございました。ルキアはエプロンドレス姿が可愛いですよね。なかなかキャラのイメージに合うアイコンが見つからなくて苦労しました~。 花壇に落ちてきたのは羽良野先生!? それとも先生そっくりなクローンか何か? 田中さんも怪しい。怪しい人がいっぱいだ~! 私も金貨で飲みにいく仲間に入りたいです(笑)
はじめまして主道 学と申します。 ノベルデイズ様に登録したての新参者ですが、白いスープと雲の街をお読み下さり感謝感激です。 裏の畑で生きているけどバラバラの人体を発見した歩は、これから逃れられない闇の中に踏み込んでいきます。 少しでも楽しんで頂けると幸いです。 たくさんの応援コメント、スター本当にありがとうございます。 これからも精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。
お褒めいただき、ありがとうございます♪ プロフィールの書き方はまずNOVEL DAYSのタイトルの左側にある「メニュー」をクリックして、さらに下の方の「設定」をクリック、マイページのプロフィールに進むと書けますよ☆ タイトルはラストまで秘密ですね!
夜勤、お疲れ様でした。こちらはあとがきを入れても全38話の短編なので、どうぞご無理をなさらず、お時間に余裕のある時にでもちょこっと覗いていただけたら嬉しいです♪ 「白いスープと雲の街」面白いです! つい引き込まれてしまいます。タイトルも不思議な感じがしますが、どういう由来があるのかな?
おじいちゃんの意味ありげな話……行方不明になった子供たち……突然鳴ったチャイム……置かれていた人形の手……物語が加速していきますね! 当方の「海の民」もお時間のある時にでも覗いていただき、ミニコメントやいいね!をポチっとつけてくださったら嬉しいです(^^♪