善光寺平生業控 (「一話読切連載中」只今六話完)

作者 NOZARASI

[その他]

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(一)駆け落ち始末記
 ここは信州善光寺平。侍勤めを捨て、市井に生きることを選んだ滝村要、「万相談引き受け候」と看板を揚げる目明しの手伝いを請け負うが、生きるということは儘ならぬもの、厭な仕事も断れぬ。手代と駆け落ちした妻を取り戻してくれとの、強欲な商人の依頼を断るわけにもゆかず、江戸は本所へ……。
(二)戸隠参り (斬られ役、我等が福本清三に捧ぐ)
善光寺平から戸隠山顕光寺へ。江戸の商人が戸隠山へ「兼光」を奉納に行く、ついては、その警護をと依頼された滝村要、江戸からの用心棒、福本清三郎と二人、「兼光」を狙う盗賊を警戒しながら、裾花川から戸隠への山道へ。
(三)雪蓮花
大坂船場道修町の薬種問屋の依頼で新潟湊から道修町まで、不老不死の秘薬「雪蓮花」を運ぶ番頭一蔵の警護をしての旅。果たしてその一蔵の背にある「雪蓮花」は……。
(四)虎落笛 (武骨漢、武田鉄矢に捧ぐ)
仇討ちの手伝いはせぬと文蔵には断ってある。が、雪の降りしきる日、文蔵の使いが来た。
若いその侍は、仇である武田鉄之助に会えたが、自分には討てぬと……。
(五)江戸から来た男
春のある朝、江戸からの客が来たと文蔵親分から知らせが来た。嘉平という江戸の目明しが、殺しの現場を見たが、何かを怖れて故郷である善光寺平に逃げ帰ったのではないかと思われる男を探しに来たのであったが、事件は思わぬ展開を見せ、要は江戸へ。そして、寺社方同心曽根玄之丞や居合の達人福本清二郎の助けを借りて、御庭番黒鍬衆との戦いが始まった。
(六)哀しみの海
 松代藩の元上役、賄い方の今宮が、出入りの問屋の番頭と今町湊(直江津)の海産物問屋へ出かけたままもう三月近く何の音沙汰もないという。今宮の奥方から依頼を受けた要は、今町湊へと急いだが、問屋には来ていないという。さぁて、この雲を掴むような事件に、要は如何に……。

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