坂本屋土蔵密室殺人事件

作者 音野内記

[歴史]

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 坂本屋の手代が合鍵で質蔵を開けると、中で番頭が腹に包丁が刺さった状態で死んでいた。番頭の懐には蔵の鍵があった。
 蔵の鍵は、番頭が持っていた通常使用の鍵と合鍵、二つしかない。
 番頭が死んだ夜、合鍵は鍵のかかっている帳場箪笥の中にあった。帳場箪笥を開けられるのは主人だけだ。だが、その夜、主人は出掛けていていなかった。
 権助が死んでから蔵に施錠し、その鍵を権助の懐に入れたとしたら、密室状態の土蔵にどのようにして入ったのか。
 同心と岡っ引きが、下手人を捕まえるために奔走する。

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