Born Runner Female

作者 naka-motoo

[ファンタジー]

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ずっと昔、武士道の基礎の根底にあるのは走ることだった。
騎馬を使おうとも、走る基礎の身体の力がなければ乗りこなせない。
戦場では走れないと、即、死を意味する。
戦場から戦場へ、たった一昼夜で数百キロをかけた軍勢もあった。

その戦国の世に、走ることに特化した一人のおんな武士があった。

これはその子孫の話。
ずっと遥か何代も前のその女性武士の、きりりとした性根を持って生まれた少女。

満で17歳。

背は低く、ピッチ走法ながらストライドは極限、ど根性あり。

そして、素足で、裸足で走る。

使命や信念や哲学など、不要。

走らずにはいられないから、走る。
それだけのこと。

彼女の名前は、親鳥ひいな(おやどり・ひいな)

共に走る男子ひとりあり。

長身、ストライド走法。
だが、距離を重ねればひいなの方が速い。
けれどもその男はひいなのスリップ・ストリームに入ってでも彼女について行く。

満17歳。
名前は、若鳥とんび(わかどり・とんび)

ひいなととんびはただ走り、走ったその後付けの結果でもって、人心を遍く救い尽くす。

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