キリモドキ

作者 桐乃桐子

[日記・個人ブログ]

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42件のファンレター

日々雑記+読書記録その②です。
①の『桐一葉』は比較的まじめ路線でしたので、こちらは気楽に綴っていきたいと思います。

【キリモドキ】
ノウゼンカズラ科 キリモドキ属
《別名》 ジャカランダ、シウンボク(紫雲木)
きれいな紫色の花が咲きます。

ファンレター

第6話&少女漫画家さんのお話

桐乃さん、こんにちは。
こちらとnoteを最新話まで拝読し、特に第6話と少女漫画家さんのお話がとっても懐かしくて、お便りしました^^

若木未生さんのハイスクールオーラバスター・シリーズ、わたしも子どもの頃に読んでいました~!若木さん、 今は一般文芸に転向されていたのですね、知りませんでした。本格的な時代小説を書かれているとは……!
久しぶりに思い出して検索してみたら、なんと32年かかって完結されたとのことで。わたしはてっきり未完作品だと思っていましたので、こうして知ることができて良かったです。
わたしが読んでいたのは杜真琴さんが挿絵画家だった頃で、高河ゆんさんに代わってからは『烈光の女神』まで持っています。
杜さんのやさしげな絵柄が好きで、コミカライズも『十戒』から『アーケイディア』まで全部購入して読みました。
思い起こすと、希沙良君の生い立ちが悲しかったなぁ。十九郎君の19人目の息子という設定に度肝を抜かれました。冴子ちゃんも美人で頑張り屋さんで好きでしたね。

そして『なかよし』の少女漫画さんのお話。(あちらにコメントできず、こちらで書くことをお許しください。もし問題があるようなら、該当箇所を削除して、noteにアカウントとって書き込みますので、おっしゃってくださいね)
わたしも子どもの頃、『りぼん』と『なかよし』を読んでいました。いつの間にか毎月、家に届くようになっていて、自然に読んでいました。
当時、わたしの両親は、知り合いの個人経営の書店を応援するために、読む読まないにかかわらず週刊誌や月刊誌をいつも自宅に届けてもらっていたのでした。
わたしが両親に『りぼん』と『なかよし』は卒業すると言ったら、次の週から『ジャンプ』と『マガジン』と『週刊文春』が毎週届くようになって(なぜか『ジャンプ』は毎週2部ずつ)、おかげで雑多にいろいろな漫画を読んでいました^^
それらも気づいたら家に届かなくなっていて、書店が廃業していたのだと分かり、寂しかったですね。大型書店と新古書店ブームで経営がかなり厳しかったそうです。
それで、リアルタイムで読んでいた『闇は集う』はとても懐かしいです! 雑誌を読まなくなった後も、単行本の新刊が出たら買っていました。『闇は集う』の最終話が載った別冊付録「夜に消える翼」も持っています。
いじめ自殺を描いた「最後の魂」は子ども心に衝撃的なお話でしたね。灯台の絵に心が奪われる「空と海の間で」も、結末も後味が悪くなくて、きれいな話だなと気に入っています。
『闇は集う』が最終回を迎える少し前に刊行された『君が君であるために』というサイコホラー作品も読みましたよ。

わたしも作家読みする方で、古い作品もできる限り集めて読んだんですよ。『死を唄う星座』はもの悲しいエンドで印象に残っています。
『呪いの黒十字』も読みましたよ! 今思えばあの村、すごい人数の死者が出て、主人公は身寄りがなくなってしまったし、その後どうなったのか。光の青年が一緒だからぎりぎりハッピーエンド……?
たしかに絵柄も古い感じでしたし、ヨーロッパのどこかが舞台の作品が多かったですよね。昔の少女漫画はゴシックホラーが流行っていたのでしょうか? 魔夜峰央さんも寄宿学校が舞台の話や美麗な悪魔の青年が出てくるゴシックホラーを描いていましたね。
リアルタイムで読んでいない古い漫画というのは、わたしも好きです^^ 「絵柄が古ければ古いほど、よき」という言葉、よく分かります♪ 萩尾望都さんや川原泉さんの作品も好きでした。
昔の漫画の外国が舞台の作品は、18世紀末~19世紀末あたりの海外の小説をコミカライズしたような趣の作品が多かったなぁと思います。最近でもヨーロッパ風の世界が舞台の漫画が多いと思いますが、異世界転生や乙女ゲー転生(悪役令嬢もの)が主流になりましたね。

赤川次郎さん原作の『殺人よこんにちは』と『ぬすまれた放課後』は原作がしっかりしているので、読み応え抜群で面白かったことを覚えています。
桐乃さんが「はじめてちゃんと読んだ小説」が赤川作品だったのですね。赤川次郎さんと言えば、三毛猫ホームズシリーズや杉原爽香シリーズなど、わたしも小学生の頃によく読んでいました。毎回、片山刑事がゲストヒロインと良い雰囲気になるのに結ばれず、最後は別れたり、ゲストヒロインが死亡する場合もあり、不憫な主人公だなぁと思っていました。
残念ながら現実の事件の方が恐ろしく、未解決なままの事件や犯人が逮捕されても釈然としない事件が多々あるので、最近は推理小説をあまり好んで読まなくなってしまいました。

『ある日、お姫様になってしまった件について。』はわたしもkindleで読みましたよ。え、もう7巻まで出ているのですか!?(手持ちを確認したら4巻まででした)
そうそう、タイトルもありきたりでダサダサですし、物語の中の不幸な結末を迎える脇役人物に転生したからバッドエンド回避のために奮闘する、というテンプレ設定なのにもかかわらず、なかなかどうして面白いですよね。テンプレを踏襲しながら、引き込まれるキャラクターやシナリオを作るって、職人芸的なすごさを感じます。
わたしも一番の魅力は、フルカラーの美麗な絵柄だと思います。同じドレスだったことが一度もなく、背景に飛んでいる花々も細部まで美しいです。静止画なだけで、もはやアニメの域ですよね。


ここまで長々と書いて失礼しました。桐乃さんのおかげで懐かしい作品をたくさん思い出すことができました~^^ 懐かしの蔵書を持ち寄って桐乃さんと語り合いたいぐらいです(笑) どうもありがとうございます!!
最後になりましたが、第5話の頭痛で大変だったお話、重大な疾患でなくて良かったです。ただ、日頃から肩こりに悩んでおられるとのことで、お大事になさってください。眼精疲労でも肩こり、頭痛の原因になるので、読書も身体と相談しながら楽しんでくださいね。

返信(2)

mikaさん、こんにちは(*´∇`*)
『キリモドキ』となんとnoteまで! お読みくださりありがとうございます!
そして熱く細やかなお手紙までいただいて、拝読しながらめちゃくちゃ興奮してしまいました。
mikaさん、聖書や海外文学のみならず、お着物にもとてもお詳しいうえに、少女漫画やライトノベルにまで精通していらして、死角のない膨大な知識量にあらためて圧倒されました。すごすぎます~!

(お返事をしたためていたらものすごい文字数になってしまいましたので、二つに分けて書かせていただくことにします(汗)
お読みいただくのは大変だと思いますので、お時間のよろしいときにでも、さらっと読み流していただけたら幸いです。すみません)

ハイスクール・オーラバスターシリーズ、お読みでしたか!
このシリーズをご存じの方とお話しできてうれしいです(〃ω〃)
杜真琴さんのイラスト、わたしも好きでした。みんなの育ちの良さそうなところが几帳面な絵柄に表れていてイメージ通りでしたし、もちろん漫画版も購入しました。懐かしいです~(*^^*)
高河ゆんさんのイラストは、みんな急におとなびた印象で、一気にイマドキ風のイケメンになった希沙良くんにいちばん衝撃を受けた記憶があります(笑)
『烈光の女神』のあと4冊ほどコバルト文庫から刊行されたのち、徳間書店へと移籍されて、このたび晴れて完結を迎えました。
シリーズが本格再始動する前に、徳間デュアル文庫から発売された『オーラバスター・インテグラル 月光人魚』では、世を忍ぶ仮の姿、冴えない大学生・三島アカリに扮した忍さまのひそかな活躍ぶりを垣間見ることができて、このお話も好きでした。
(現在は徳間ノベルス『ファウスト解体』に収録されています)
mikaさんのおっしゃるとおり、希沙良くんの生い立ちは、こどもが背負うにはあまりに重いものでしたよね。すべてを肯定して受け入れてくれる十九郎くんに依存してしまうのも無理もないと思いました。
その十九郎くんも、もしかしたら十八郎や二十郎という名前になっていたかもしれないなんて、驚きですよね(^^;)
忍さま大好きな冴子さんと十九郎くんとのやりとりが毎回地味にツボでした。優等生に見えて、その実かなりひねくれ者かもしれない十九郎くんのちょっとめんどくさいキャラが大好きです(笑)
ああもう、全キャラについて熱く語りたいくらいです~!
懐かしいお話ができてうれしいです(*´ω`*)

若木未生さんの一般文芸作品ですが、歴史もの以前にも、お笑いの無名漫才コンビの活躍を描いた『ゼロワン』や、講談社タイガ文庫からラノベテイストの『永劫回帰ステルス』という作品も発売されていて、ジャンルは違えどどの作品も若木節炸裂で、次はどんな作品が発表されるんだろうと楽しみです。
コバルト文庫出身の作家さん、その後、一般文芸で活躍されている方もいらっしゃいますし、今ではBL作家さんが一般文芸作品を書かれていたりと、ジャンルにとらわれない活動をされていて、一読者として、好きな作家さんのいろいろな作品を読むことができて楽しいです。

noteの『なかよし』思い出話も、お読みくださりありがとうございます。
いえいえ、そんなそんな。まったく問題はありませんので、どうぞお気遣いなくです。ご配慮に感謝いたします(*´-`)
個人経営の書店、わたしの周りも今はもうすべて廃業されてしてしまいました。大型書店のみが残っている状況です。寂しいですね。
お知り合いの個人経営の書店を応援されていたというmikaさんのご両親、すてきです。
『週刊少年ジャンプ』はわたしも毎週読んでいました。『聖闘士星矢』の大ファンで、当時はブラウン管テレビにかじりつくようにして毎週アニメも欠かさず観ていました(笑)

そして、松本洋子さんのお話ですが、なんとなんと、mikaさんもお読みになっていたなんて! オーラバだけでもうれしいのに、松本洋子さんのお話までさせていただけるなんて(泣)
『闇は集う』毎回いろいろなお話が読めて、毎月楽しみにしていました。わたしも『なかよし』を卒業したあと、コミックの単行本が発売されるといそいそと購入していました。
幻の最終話、わたしは読めていないのです。以前ネットで松本洋子さんについて検索したとき、中古で高値で販売されているのを見つけて、やはりプレミアがついているんだなとそのお値段に驚きました。
『君が君であるために』mikaさんのお言葉を拝見して思い出しました! たしかわたしも読んだ覚えがあります。それまでとは少し毛色の変わったお話だったような。男の子二人が主役でしたよね。
教えていただいてありがとうございます! のちほどnoteの記事に追加させていただきます。

『死を唄う星座』は陸の孤島に閉じ込められるお話、でしたでしょうか。わたしのなかで『ネメシスの夜』とごっちゃになってしまっていることに今気づきました(汗)
『呪いの黒十字』ですが、ほんとですね! 総被害者数を考えるとえげつないですし、まさしくそして誰もいなくなった、みたいな状態ですね。
悪魔祓いに犠牲はつきもの、といってしまえばそれまでですが、代償は大きいです。それでもいちおうあのラストはハッピーエンド……と認識していました。アデルひとりが生き残ってしまったらただの悲劇ですが、彼がいたので、良かったなと単純に思っていたわたしです(^^;)
印象的なのは、兄のあの顔の傷です。
兄いわく、「おまえがやった仕打ちだ」
と一度だけアデルを責めていましたが、たしかそれに該当する描写はなかったように記憶しています。この一文でお察しください、ということなのでしょうけれど、過去の事件のエピソードをくどくど描写することなく簡潔に表現して、読者にそれとなく理解してもらうというこの手法、シンプルで洗練されていてすごいなと、こども心に感嘆しました。
おっしゃるとおり、懐かしの少女漫画を読み返してみると、ゴシックホラーが多く目につくように思います。
(怖いのは苦手なのですが少女漫画のホラー系は大好きでつい読んでしまいます……)
松本洋子さんは元々ホラー映画がお好きだとプロフィール欄に書かれていた覚えがありますので、お好きなジャンルとそのときの流行りが一致していたのかもしれませんね。興味深いお話です。

「絵柄が古ければ古いほど、よき」に共感をいただけてうれしいです~!
川原泉さん、わたしも大好きでした。『笑う大天使』『バビロンまで何マイル?』がとくに好きです。
萩尾望都さんは、わたしはわりと近年に読むようになったので数えるほどしか読めていないのですが、これまでに読んだ漫画と小説、すべて大好きです。
現在、約40年の時を経て『ポーの一族』の続編を連載されていますが、わたしはそちらを読んでから、過去の本編へと遡って読みました。絵柄は変わっていますが、どちらも好きですし「物語の力」というのをすごく感じられる漫画家さんですよね。
わたしは作家の森博嗣さんが好きなのですが、その森さんの憧れの漫画家さんが萩尾望都さんとのことで、森博嗣版『トーマの心臓』から萩尾さんの名作『トーマの心臓』へと流れていった口です。

ひと昔前の、外国を舞台にした作品は、おそらく当時は今ほど海外旅行が日常的ではなくインターネットも普及していない時代に、輸入された海外の作品から影響を受けたり、読者が抱く海外への憧れのようなものを詰めこんで漫画として表現されていたのかな、となんとなく感じました。
最近の「ヨーロッパ風の世界が舞台」の漫画は、mikaさんのおっしゃるように異世界転生ものが主で、それらも実在の国を元にしたものというより架空の「外国のような世界」が多いような印象を持っています。
読んだことのある作品では、ゲームの世界の主人公や悪役や脇役に転生、というパターンが多く、しかも元の世界(現代)への未練などもほとんどなく、比較的前向きに転生先での人生を謳歌しているので、「ここではないどこか」で、しかも特殊能力のチートつきという「元の冴えない自分ではない、ハイスペックな自分」に生まれ変わるという、なんというか、現代社会の生きづらさからの離脱、より良い待遇での第二の人生のスタートを読者は楽しんでいるのかなと感じています。
少女漫画には時代の背景が反映されていて、こちらも先ほどのゴシックホラーのお話とあわせて興味深いなと思います。


すみません、ここまでですでにものすごい文字数になってしまった気がします(汗)
続きはもうひとつ別に書かせていただきますね。
ここまでお付き合いいただいてありがとうございます(*´ω`*)
mikaさん、こちらでお返事の続きを失礼いたします。

赤川次郎さん原作の『殺人よこんにちは』『ぬすまれた放課後』のコミック版もお読みなのですね!
どちらもかなり衝撃的なラストでしたよね。赤川次郎さんと松本洋子さんのタッグは本当に大好きでした。
赤川次郎さんの杉原爽香シリーズは、毎年9月に発売されて、登場人物たちが1年ずつ歳を重ねていくという、類を見ない画期的なシリーズですよね。『若草色のポシェット』では14歳だった爽香さんも、今では子を持つ母になって。
『暗黒のスタートライン』は衝撃的でした。
三毛猫ホームズシリーズは、本当におっしゃるとおりで、毎回、片山刑事が不憫ですよね。妹の晴美さんにも尻に敷かれていて(笑)
一作めの『三毛猫ホームズの推理』だけガチめのシリアス展開で、シリーズのなかで異色だなと思いました。この作品で晴美さんはいろいろふっ切れて、ホームズともども頼もしい姉御肌の妹(!)になったのでしたよね。
赤川作品では、初期の角川文庫作品『赤いこうもり傘』『プロメテウスの乙女』『魔女たちのたそがれ』のあたりがとくに好みでした。こちらも懐かしいです~。
残念なことに、よろしくない意味合いで「事実は小説よりも奇なり」という世のなかになってしまいましたね。
「平凡な日常からひととき抜け出して物語のなかでスリルやサスペンスを楽しむ」というより、「日常がつらすぎるので物語のなかでくらい平穏で楽しい世界に浸りたい」というふうに反転しているように感じます。
現に、わたし自身にその傾向がありますので。
この流れは先ほどの「異世界転生」が流行る背景にも通じるものがあるような気がします。

そして『ある日、お姫様になってしまった件について。』までお読みになっているなんて!
mikaさん、ほんとすごいです……!
つい最近、7巻が発売されたばかりです。わたしも4巻までは電子書籍で購入して、5巻からはなぜか紙の本で買うという、よくわからない買い方をしております(^^;)
「タイトルもありきたりでダサダサ」とのお言葉に思わず笑ってしまいました。すごくわかります(笑)
異世界転生ものは長文タイトルでしかもだいたい内容の想像がつく、というのが共通する点ですよね。作品自体によほど特色がないと、タイトルと内容が一致せずごちゃ混ぜになってしまいがちという。
そうなんですよね、ベタな設定なのに、続きが気になってどんどん読んでしまいます。
このフルカラーの美麗な絵は芸術作品ですよね。アタナシア姫やクロード陛下のあの青い瞳や金色に輝く髪も印象的ですし、ドレスや背景もきらびやかで本当にアニメのようで。漫画というよりもはや画集のようです。
このサイズの本は、一般的な漫画でも700円前後で流通しているので、薄めとはいえフルカラーで1000円ちょっとというのはありがたい価格設定だなと思います。
もうすでに次巻が待ち遠しいです~(>_<")

思いきり長々と語ってしまってすみません。
わたしも懐かしの本のお話を夜通し語り明かしたいくらいの大興奮でした(笑)
こちらこそ、懐かしく楽しいお話をたくさんお聞かせくださってありがとうございます!(*´∇`*)
以前、「生理の貧困」にお手紙をいただいて(その節はありがとうございます)、そちらへのお返事にも書かせていただきましたが、わたしもmikaさんの作品を拝読しております。しゃべログや、リンクを貼られている読書ブログも拝見しています。
「真空溶媒」で取り上げていらした柳美里さんの『JR上野駅公園口』は気になっていた本なので、考察を興味深く読ませていただきました。
またあらためてそちらにお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします(*^^*)

わたしの体調にまでお心遣いをいただき、ありがとうございます。どうもお騒がせをいたしました(汗)
少しでも肩凝り解消のために軽いストレッチをしてみたり、先日の病院で処方された湿布をペタペタ貼って寝ております。
連日、蒸し暑い日が続きますが、mikaさんもお疲れが出ませんよう、どうぞご自愛くださいませ(*´-`)
わくわくする楽しいお手紙を頂戴しまして、ありがとうございます!