石刻師リョウ 荒原の道

作者 雲井 耕

[歴史]

154

15,629

1件のファンレター

本作は「石刻師リョウ 草原の風」の続編ですが、前作を読んでいなくても、読めるように工夫してあります。また各章も独立した短編仕立てになっています。是非読んでみて、良かったら前作も読んでみてください。
時代は、唐の玄宗皇帝の世、北の草原(現在のモンゴル高原)を支配していた突厥(とっくつ)がウイグルに敗れ、西の青藏高原(現在のチベット高原)からは吐蕃(チベット)が草原への出口を狙っていた。
唐では、即位後三十年経った皇帝に代わり、宰相の李林甫が権勢をふるっている。自由で開かれた都、長安の人々の生活も次第に息苦しさを増し、辺境を守る節度使には安禄山など蕃人(異民族)将軍が登用され、その力が徐々に大きくなりつつあった。
 前作で、突厥の奴隷武人として成長したリョウ、ソグド人の芸能屋に売られていったシメン、敵対する部族の奴隷武人だったタン、そしてリョウが仕えた部族長の子アユン、その四人の成長と冒険を、激動する時代背景のもとに描く。

ファンレター

誠実な研究の上に成り立つ歴史劇

「草原の風」から続けて読みました。
当時の中国と北の方の様々な民族の歴史と、その文化をよく研究なさっていらっしゃるので、フィクションでもリアリティのある物語が書けるのだなと、とても感心しました。


また、登場人物一人一人の人生が、しっかり描かれていて、それぞれが違う道を歩んでいるようで、その道がどこかでつながっているような感覚がとても素敵だなと思いました。

リョウたちの今後が気になるので、続編も楽しみにしています。

返信(1)

鶴河さん、ありがとうございます。小説は、一度投稿してしまうと、作者の手を離れてしまいます。何の反応もないと、不安になります。書き直したくなるところもでてきます。それでも、それがその時に自分が一番良いと思って読者に捧げた物語なのだから、後はだまって見守るしかありません。そんなときに「石刻師リョウ荒原の道」への初めてのファンレター、飛び上がるほど嬉しかったです。今も続編に四苦八苦していますが、元気を頂きました。また作品上でお会いしましょう。