地底の鳥

作者 たちまち

[ファンタジー]

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「契約成立よ。このコの命を救いなさい。私があなたを助けてあげる」

大切な人を救いたい、ただその一心で、その人の魂に迷い込んだ主人公タカシ。
そこで出会った美しくも冷血な死神と荒ぶる自我世界を旅する物語。

舞台は、荒れ野と廃墟の地上世界から光り輝く地下世界へ。
そこには、多くの人々が暮らす地下都市が広がっていた。

“地底生まれ”と呼ばれる少年兵たち。
大切な人と面影の重なる不思議な少女。
地下都市を運営する八賢人や委員たち。
様々な人々の思い、願い、祈りが交錯する。

そして襲い来る負の感情の塊“ケガレ”
やがて地下都市は崩壊をはじめる。

すべての障壁に抗い、
彼らはただひたすらに、
向かって行く、
白い塔へと。

ファンレター

思惑の中(12)まで拝読

 思惑の中(5)(9)のクマゲラの過去の話、地下室のシーンでは思わず感情移入してしまいショックで呆然としてしまいました。そしてカラカラとの出会いで変わっていくクマゲラの姿は感動的でした。先に長じたクマゲラの姿を見ているだけに、こうなるまでの彼の葛藤を考えると涙を禁じ得ません。クマゲラのエピソードは心に刺さりました。
 八賢人の登場にも意表を突かれました。彼らはどんな姿をしているのか、いろいろと想像してみました。明かされるのが楽しみです。読み進めていくと集合体のように思えた彼らにも個性が感じられてきました。
 ナミが説明した魂と生まれ変わりの話もとても興味深い設定だなと思いながら読みました。ケガレとは一体何なのか。この都市にはまだいろいろと謎がありそうです。お方様の庇護を受けられると思っていたタカシの身も実は危ういことが判明したし。イカル達の運命も……これからどうなっていくか楽しみです。
 それにしても、イカルがカッコいい。ツグミがなんとも可愛い。
 先を読むのが楽しみです。

返信(1)

不二原 光菓 様

暖かいお言葉ありがとうございます。
現実世界の寒さを忘れるくらいに暖まりました(*´ω`*)
モズとクマゲラの親子は地上で苦難を味わい、地上に大切な何かを置き忘れてきた多くの人々を象徴する存在として位置づけています。
その何かがアントに肩入れさせているのですが、他の移住してきた人々も多かれ少なかれ地上に残してきた思いがあるために、選ばれし方の物語にほのかに夢を見ている、という設定です。
私の力不足で本文中ではそこまで書けてないのですが…
クマゲラの地上でのエピソードは、心に深い傷を負った人が、それを乗り越えていこうと少しずつでも前に進む、そんな姿をぜひ書きたいと思い挿入したものです。
私も書いている間、感情移入して少々つらかったのですが、共感していただき報われた思いです。
また、カラカラは少し先(秘匿の中)で再び登場してきます。
いろいろ語ってくれます、というより(謎解きで)語らせてます。
八賢人は(全員ではないですが)後半ちょこちょこ登場します。
話を混乱させてくれます。
私にとってタカシと(まだほとんど登場してないですが)リサはもちろんですが、イカルとツグミもとても思い入れのあるキャラです。
なので、カッコイイ、可愛いと言っていただいて素直に嬉しいです!(^^)!
次の「蠢動の中」以降、イカルは邁進し、ツグミは迷走していきます。
また楽しんでいただけると心底嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。