長崎のナポレオン

[歴史]

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10件のファンレター

幕末の砲術家、高島秋帆の少年時代。
塗炭の子供時代と、父親との葛藤を乗り越えて砲術の世界に目覚めるまでのお話です。

ファンレター

幕末青年の反骨青春期!

 実は結構歴史小説が好きで、技術者系の話にとても興味があります。本作は己の境遇と戦いながらも、まっすぐな気持ちで人生に立ち向かう青年がすがすがしくまたそれがなかなか上手くいかないところも含めて、心を奪われながら読ませていただきました。釘本さんと部呂子さんの対決に手を握る冒頭、そして反抗期の彼を叱る釘本さんの態度に感心。(釘本さん、素敵です!)助十郎君やお父様など彼を取り巻く周りの人たちの描かれ方が一筋縄ではなく、彼との心の距離が変っていく過程を読み、心が温かくなりました。特に、半酔に自分の過去を語るシーンでは鼻がつーんとしてしまいました。そして砲術の本の一件の時、父親に対峙する彼の成長を目の当たりにしてうれしくなりました。
 砲術訓練をはじめいろいろな場面がリアルで資料などをたくさん当たられたんだろうなあと、表現の厚みに感服しています。
 気になったのでWikipediaで高島秋帆を検索しました。ああ、こういう方だったのか。この作品に出会わなければきっと自分は知ることはなかった方だと思います。この作品で幕末の長崎の世界感が目の前に広がった気がしました。
 

返信(1)

不二原さま
こんなに丁寧なコメントを下さり、感無量です(涙)! いくつか推敲不足の箇所があり、コンテストの方は正直厳しいかも、と思っているところですが、こんな風に読んで下さる方がいただけでも大変うれしく思います。
高島秋帆、大人になってからも波瀾万丈の人生を送っているので、いつか書きたいと思っているんです。でもこれまで創作で描かれたことはあまりないようで……たぶん彼の功績が軍国主義と結びつきやすいからなんでしょうね。でも彼自身は親しみやすくて、むしろ世界中に友達が欲しいっていうキャラクターだったんじゃないかと思います。
素晴らしい感想をいただき、本当にありがとうございました!!