早退届

[創作論・評論]

707

603,601

18件のファンレター

旅に出よう、僕を殺すための旅に。


*表紙はPicrewさんでつくりました。

ファンレター

411話

るるせさん、ありがとうございます!
私も勿論読んでいますよ。『廃園のトロンボーン』(←もうタイトルがいい)は読みやすく流れるような文章に、エモーショナルとか一本筋の通ったテーマが絡まってどこか知らないところに連れていかれるような。どこに連れていかれるんだろう。
『文芸部あふたー』も「フフッ」としながらこんな青春が送りたかったと、ノスタルジックに切なくなります。
私はなんとなく書いてきて、最近、ひょっとして大事な基礎とかができていないんじゃないかと、今更ながらに気がついたところです。るるせさんはじめ他の作家さんたちの才能・筆力が羨ましくて、心に秋風。読書すればいいんだろうけど、残業帰りは寝落ち不可避。
あ、Butterbur scapeって「ふきのとう」なんですね、なんかカッコいい。
それから詩について書くことはイモくはないです(芋でもいいのか?芋は美味しい)私もポエマー(笑)なので!

返信(2)

うおおおおおおおおおぉぉぉぉ、佐久田さん、ありがとうございますッッッ!!
……と、こんな書き出しを今回レターの返信でしてみたのですが、「最近、ひょっとして大事な基礎とかができていないんじゃないか」に関して言えば、今回の出だしの「うおおおおおぉぉぉぉ(以下略)」をどう思うかに寄るのかな、って気もします。僕らはサイト規約はあるけど校閲を回らないで普段、ウェブサイトに文章を書いている(違う人もいますが)ので、それって「プロに対してアマ」なのでは(ある意味)なくて、「プロに対してのオルタナティヴ」なんだと、僕は思うのですね。例えるならば、〈商業ロックやポップスに対するオルタナティヴとしての平沢進〉を考えるとわかりやすい。平沢さんの曲や歌詞はどれも、あのソリッドな表現が、商業の売れ線ポップスとしてデモテープ出してたら偉い人や小説でいう校閲にあたる人に、弾かれる可能性もあると思う。だが、むしろ既存の枠に陥ることのないオルタナティヴなその表現が最高にアーティストだ、って思うのです。そして、僕らはオルタナティヴな「最先端・最前線の場」で書いている、という自覚を持つことは必要だと考えている。一般大衆が触れているのは、どの業界でも〈上澄み〉だけですから。
今回「詩」をテーマに『廃園のトロンボーン』という小説を書いているのも、それに関連します。
イモくない、と言っていただけて、自分で言い出したことなのに、なんだかほっとしています。
僕としては基礎ってその範疇が難しくて、捕らわれるとあーだこーだ言う「悪い意味でのセンセイ」になってしまうと思うのです。「先生と呼ばれる職業にはなるな」とはよく言ったものです。鋭さ……切れ味というか、それがオルタナティヴがオルタナティヴだからこそ愛好される理由でもあり条件でもあるので、自分の表現を研ぎ澄ましていくのがよいのだ、と少なくとも僕は考えて書いています。
追記:校閲の拡大解釈を文中でしているけど、例えば「トルツメ」しただけで作品は別物になるし、エディット加えられた文章で来たひとと校閲なしのウェブは違ってくるのは当然、というレイヤーと、ジャンルによってその添削の種類は変わる、というレイヤーが混じった表現に、この文章はなっています。
『文芸部あふたー』を何度も誤字っちゃっていてごめんなさい!!!(修正しました)(最近とみに視力が落ちてきて……すみません)
平沢さんで例えられるとめっちゃ腑に落ちます。
深くてスリリングで、噛むほどに味の出る骨太返信を、ありがとうございました。