第8話

文字数 758文字

十数年後



イリーガルと引退話をするシド



「お得意さんだったし、もう充分稼いだと思うから。ブローカーからのつてで足を洗おうよ。」



「そうだな。それもいいかもしれない。コミュニティー・アインは貧しい人々と富裕層の差がはげしいから、成り上がりでも不自然なく暮らせるな。」



老後の余生を湖の湖畔の別荘で過ごす



そこに見死なぬ女性が現れる



裏社会では知らぬものはいない人物だった



人を殺さずそれでいて諜報活動のエースとして有名な女性だ



数々の汚れ仕事をしていたシドの居所を突き止め依頼主の殺し屋が来るのかと思う



「俺を殺す手伝いをしに来たわけか。」



「シドさん違います。忘れているだろうけど、私はあなたに救われたマリアです。」



スラムで生活したころ薬草で傷を癒やしたあと、裏社会の重鎮に感謝されてスカウトされた



シドの殺気に怖気づかずによく助けてくれたと



でもどうしても人を殺すことに抵抗があるから、裏社会の医療者として生活してきたマリア。



「!。危ない!」



首から下げている小さな犬笛のようなものをとっさに吹くマリア。



ピュウイっ!



そこに突然、大鷹が草むらに向かって滑空していった。



ドサッという音とともに誰かが倒れた音がした。



それは遠い昔に足に傷を負わされた賞金首のジャグリだった。



「!ジャグリ!急いで縄で拘束しよう。ありがとうマリア、助かった。」



「ドキドキしているの、わかりますか?」

「わかるが。君はもう光の普通の世界に戻りなさい。組織の者たちにはわたしから話しておこう。」



「あなたこそもう光の普通の世界にもう、戻ってください。」



「どうしてそんなにもこの老いぼれのために動いてくれるんだ?」




「それは・・・。」




「お慕いしているからです。」



「ああ・・・月が綺麗でだな。」



「?なんですか」

「深く考えなくていい。そうだな、これからは共に生きようか。」



「っはい!」


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