研究員集合

文字数 417文字

 放課後、徹の方から由梛の教室に向かった。
「ちょっと用事があるんだけど、つきあってもらっていい?」
 由梛は静かに頷いた。雰囲気こそいつもと違うが、その様子は平静だった。昨日の帰り道のことが嘘のようだった。
 しかし、徹は意識して、由梛の名前を呼ばないように勤めた。
 徹は無言で、由梛を連れ、阿部さんの教室に向かった。
 誰かに呼び出してもらうのは気が引けたので、徹は教室を覗いた。
 阿部さんは徹に気付くと、鞄を持って教室を出てきた。
 由梛を見て言う。 
「もしかして、研究会に入ってくださる方ですか?」
「まだわかんないけどね」 
 由梛が答えないので、徹が変わりに答える。
「そうですか。それでは、まず部室に案内しますね。そこで活動内容など話し合いましょう」
 そうして、彼女は二人を先導する。
 初めてあった時と、ずいぶん印象が違った。部員が集まって浮かれているようだ。案外、わかりやすい性格なのかもしれない。

 
 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み