文字数 351文字

不思議な旅の始まりがどんな感じだったのか、ぼくはしっかり憶えていない。
どこからが本当?
全部、夢だったのかしら。

何故、ぼくは彼らに出会えたのだろう。
随分長い旅をしたような、でもあっという間だったような、そんな旅。
いや、最初からぼくは旅をしていて、あれは旅の途中に設定してあった特別なオプションツアーだったのかな。
ぼくがぼくであるために最初から用意されていた、ぼくだけの特別なツアー。
そんな風に言ったら、君は何て返す?

「何を言っているのさ」って笑うかな、
「大変だったんだからな」って怒るかな、
呆れ顔で「はぁ」ってため息をつくのかな。

ううん、違う。きっと君は
「あの時、冒険に出掛けて良かっただろう。さあ、話を聞かせてくれ」
そう言って微笑むんだ。
まるで夕方と夜の間に一瞬広がる、深く青い空のような大人びた顔で。
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