最終話 パートナー

文字数 3,249文字

おはよーございまーす。今日から暫くお願いしまーす^^
あぁ、おはよう──っていう時間じゃないけどね
いやー、この業界じゃ昼過ぎは十分朝ですよー^^
ま、いいけどね。で、ネカフェの席はどうする? 別々の席取って定期的にどこかで打ち合わせ?
それだと効率悪いですから、カップルシートに入りましょ♪
え? 一緒の席?
そうですよー。今までだってそうだったじゃないですか。今更何言ってるんですか?
いや、今までと違って何かと緊張するな~
な~に言ってるんですかww じゃ、行きましょう♪
■ネカフェ店内にて
予定、どれくらい入りました?
あ、ちょっと分かりにくいけど、これね
うわ……確定で40件? それにしても、ホント来るんですかね? 未だに半信半疑ですよ
ま、みんな来るかどうかは分からないけど、半分くらいは来るんじゃない?
まぁ……そんなに甘くないと思いますけどね。後でやり取り見せて下さい。教えれる事もあると思いますので
了解
ホント、1人くらい来るといいですけどね
──! 来た! ブース番号21だって。そこいってみて
──! ホ、ホントに来ましたね。パンツ生脱ぎでしたね。じゃ、チャチャっと着替えます(ズルッ)
──え? ちょ、ちょっと!/// こ、ここでパンツ履き替えるの? トイレで着替えれば──
時間が勿体ないです。時間は有限ですから♪ 慣れて下さい!
りょ、了解
じゃ、いってきまーす
──数分後
……ホントに7,000円で売れました。こんなにラクしてお金貰っていいんです?
ま、需要と供給だからね。需要あるからいいんじゃない? あ、次からコレ使って
んと、コレ何ですか?
あぁ、さっき忘れてたけど先日買ってきた秘密兵器。ちょっとスプレーして嗅いでみて
(クンクン)……! うわ、くっさーい
女子高生の股間の匂いを忠実に再現したスプレーだって。ほら、みのりちゃんの設定は清楚系だけど新陳代謝が良すぎて体臭を気にする子だから。設定に忠実じゃないと、ね
……えー、あれ冗談で言ってたんじゃないんですか? ホントにこれ、つけろって言うんですか?
その通ーり!
うぅ、みのりちゃん、こんなに可愛くて清楚系なのに、実際こんな体臭だったら辛いだろうな……生きていけないだろうな……
いや、そのギャップがいいっていう男の人って案外多いって、多分。現場仕事の知り合いの人なんて、1週間お風呂に入ってない女性こそ至高だ! みたいな事、言ってたし
分からない、男の人が分からない……
ま、人の好みはそれぞれだから──と、また来たみたい。今度は……手もして欲しいって。もし直に嗅ぎたいって言ったら3,000円プラスって言ってみて? まず出すと思うから。はい、スプレー♪
うぅぅ……わ、クサッ!
wwwwww
ちょっと! 笑ってないで、嗅いでみて下さいよ、ほら!
……! うっ…クッ……!
ほら、ねw じゃ、行ってきまーす♪
──数分後
……お金、17,000円も貰いました。最初に直に嗅ぎたいって言ってきたので3,000円プラスって言ったらホントにプラスしてくれました。どうして……でしょう?
ま、やっぱ需要があるからじゃない? 人によってはゴミみたいなものでも、人によっては宝物になるんだよ、きっと。ブランドバッグとか時計とか異様に高いじゃん? それと似たようなものだよ、多分
こんな事にお金遣って……その人、大丈夫なんです?
ま、男というのは趣味にお金遣うものだから。ユキさんが好きなブランド品にお金遣うのと同じだよ、多分
──! そっか! 了解! 次いきましょ、次!
お、やる気だねぇ。理解したんだ
ま、なんとなく。要するにフェチさんが想像以上にオイシイって事は分かりました。私、パネライの腕時計買いたいので、頑張りマス(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑
ま、やる気になったのはいいけど、参考までにそれいくら?
え? 60万くらいですけど?
──?! わ、分からん……
私、まだ若いので物欲は底なし沼です。要するに私の趣味みたいなもの……ですよね? フェチさんというのは
そ、そうだね。……あ、また来たみたい
はーい、(プシュー) んじゃ行ってきま-す♪
(想像以上に末恐ろしい子だ……)
……何がですか?
い、いや、別に……
(……テレパシー能力でもあるのか?)
……そんなものありません! たくみさんが考えそうな事くらい分かるだけです!
!!!
──1時間後
♪♬♪♬♪♬
お、何か楽しそうだね。何かいい事あった?
楽しいに決まってるじゃないですか~。だって、これ見て下さい。1時間で3万以上ありますよ。しかもメチャクチャラクですし♪
確かに……俺なんてここでコーヒー飲みながら軽くメールのやり取りしてただけなのに、1時間で3万ちょい……ちょっと怖いくらいだよ。何か悪い事している気すらしてきたよ
需要と供給って言ったの、たくみさんじゃないですか~。それにみんな喜んでましたから、いーんじゃないですか? ほら、ギブアンドテイクが成り立つならそれはいい仕事、誇っていいくらいだよ~って言ってくれましたよね、私に
……よく覚えてたね、そんな昔の話
私、記憶力良いですから♪
ま……確かにね。ただ、よくよく考えたら、俺のしている事って……もしかしたら傍から見れば援交幇助になる様な……
気のせいですって♪ たくみさんにお願いされて私が嫌々やってるならダメですけど、むしろ逆ですから♬
後、ユキさん使ってお金稼ぎして……ヒモ男になった気分だよ……うぅ、俺は酷い男なのかも……
そうですよ~、たくみさんは私が養ってあげるんです♡ ご主人様の為なら身体の1つや2つくらいどうって事ないですよ♡
うぅぅ……自己嫌悪に陥るよ……
やだな~、冗談ですって~。私は元々1人でやってきた訳ですから、たくみさんは関係ないですよ。それに、私だけが仕事する訳じゃないですから。場合によってはたくみさんも──ね♡
──?! ちょ、そ、それって……ま、まさか──!
当然、やって貰いますよ~、機会があれば♪ 経験、ありますよ──
ないよ!
あれ? ないんですか? ただ、お口かオテテの経験くらい──
ある筈ないじゃん!
え~、嘘だ~。あんな女の子みたいな文章書けるくらいですから、それくらいやっ──
俺はノーマルだって!
ま、何事も経験ですよ♪ その時が来たら──覚悟決めて下さい♡
わ、分かったよ。俺だけ仕事しないのは不公平だしね。──えぇ、やる、やりますとも!
さっすが、私がパートナーに選んだだけはあります♪ ま、多分その機会はないでしょうけど、その心構えだけはしておいて下さいね
……死に物狂いでアポ取るよ。じゃないと、ゲイ版に募集かける? とか言いかねないし
あっ──それ、いいアイデアですね。どうします? 私、アポ取りしましょうか? 折半で♪
頼むからやめて!
www 冗談ですよ♪ ──ね? たくみさんは別にヒモ男じゃないって分かったでしょ? ヒモ男は絶対自分の身体は汚さないですから
何か話がすり替わった気がするけど、不思議な説得力あるね……
この世界では私のが大先輩ですから♪ これから色々教育していきますから、しっかり着いて来て下さいね♡
了解
それにしても……ワクワクしますよね。新しい事に挑戦して、それで成果を挙げるのって
ま、それは確かにね
その楽しみ・喜びを共有できるのって──いいですよね
……そうだね
私も……佳代さんみたいなパートナーになれますよね?
きっと、それ以上に──ね
……なりましょうね、必ず
あぁ、きっと必ず……!

──この様にして2人は出会い、近づき、パートナーになり、そして動き出した。ここから始まる物語は批判される事はあっても世間様に認められる内容には決してならないであろう。ただ、少しだけ知って欲しい事がある。世の中には色々な考え方があるという事を、才能があるという事を、努力があるという事を、そして幸せの形があるという事を。


 一人でも多くの人に、この物語が心に残りますように──


 …to be continue to the 「Forbidden Gameーパンツ売りの天才少女ー

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