第1話 ウエイトレスと占い師
文字数 2,091文字
一人の少女と一人の謎の中年男の出会い、それは映画やドラマの様な運命的な出会い方でもなく、ごく平凡なものであった。いや、少しだけ変わっていたかもしれないが……
昼下がりのとある人気のない喫茶店
「──うぅ、ありがとうございます、先生……またお願いします」
──30秒後
仮に家が金持ちの場合、衣服やバッグもある程度のモノで揃える筈だけど、そうじゃない。という事は、自分で買ったものである事が濃厚。じゃ、その高価なものをその年で買えるにはどんな仕事か? と推測していくと、ね
更に言うなら、腕時計なら隠しやすいしから──かな? 最悪見つかっても貰ったとか中古で買ったとかごまかし効くし。ただ、見る人からみれば分かるけどね。それ、確か去年くらい発売のタイプだし。ま、そこまで分かる人はレアだと思うけど、一応気を付けた方がいいかもね。俺みたいに読む人、いるかもしれないから
最初に今回みたいに一発かますと、大抵の人は異様に信用するのね、凄い占い師だ~って。そうしたら、後は言い方悪いけど、テキトーに相談相手になってれば、勝手に満足してくれるよ、と。──って、何ネタバラシしてるんだ、俺……