第3話 彼女の実家はマントル銭湯
文字数 1,415文字
私、田中幸夫(38)は隅田川沿岸の地上波TV局に勤務するたたき上げの制作部ディレクター、未だ独身でそろそろ身を固めたいのだが、実は社内に意中の人がいるので告白していいものかと思案中である。
○社内の備品倉庫
出納係の地面素子(24)が、朝からかいがいしく働いている。
意中の人を前に噛みまくる田中。
懐から、名刺を一枚田中に手渡す地面。
震える手で、それを受け取る田中。
倉庫の奥に誘なうソコ。
ソコが段ボールをうごかすと、そこにはポッカリと穴が。
漆黒の闇が下へ下へと続く。
田中の手を取り、一緒に穴に飛び降りるソコ。
あー、何もこんなアナログなエレベーターを使わなくても。
タクシーを使えば、いいじゃないか。
タクシーは必要ないわ。
このまま、自然落下にまかせるのよ。
ドスっ!
どすん!
お父さん登場。
いつもなら、1000度くらいでマグマがグツグツいって、地底人のお客さんには大好評なんだが、あんたは地表人のヘタレだから900度くらいにうめてある。へっ。
おーい、三助。客人の背中を玄武岩で流してやりな。
田中の手を取り、湯船に向かう三助。
そこには、真っ赤に燃えるマグマが。
田中の右腕を取り、一本背負いで田中をマグマ湯船に投げ入れる三助。
ドボンっ!
あーっ、熱い!
身体が溶ける。
ブーン、ブーン♪