第2話 彼女の父親は古流武術家
文字数 1,271文字
ワタシこと、田中幸夫(34)はT大を出てから霞が関の外務省に勤務する官僚。そう、世間はワタシのことをエリート官僚と呼ぶ。
ワタシには、将来を約束した女性がいる。
木村淑乃(29)だ。彼女もまた外務省に勤務する仕事の同僚だ。
○東京霞が関、外務省庁舎の庁内 17:00
東アジア韓国班
リンゴーン♪
ほーたーるのひーかーり
皆さん、新型コロナウィルスには気をつけて、
また明日も元気に頑張りましょう。
リンゴーン♪
アンニョンハセヨ〜班長。また、明日。
続々と帰路に着く班員たち。
オフィスに取り残される田中と木村。
○東京墨田区、淑乃の実家 19:00
周囲に覇気を発する惣右衛門。
惣右衛門の無言の圧力に噛みまくる田中。
抜き身の日本刀をチラつかせる惣右衛門。
真剣の妖しい光にビビりまくる田中。
スチャっ!
突如、本身を鞘に納める惣右衛門。
ドスっ!
田中の水月に中断突きを入れる惣右衛門。
ぐへっ!
思わず昏倒する田中。
ふらふらになりながらもなんとか立ち上がる田中。
淑乃の弟、辰雄(19)が登場。
きえーっ!
バシっ!
辰雄のドラゴン下段蹴りが、田中の脚に炸裂。
思わず転倒する田中。
ぎゃー
(脚がもげるー)
ドタバタ
(淑乃の母)賊でございますか?
いざ、勝負、勝負。
(淑乃)お母さん、危ないから薙刀は持って来ないで!
木村家の空騒ぎは、延々と続く。