第32話:ZEHとZEB「ゼロエネルギー」

文字数 1,658文字

 2015年、崎野和也は、横浜国大を卒業して、あざみ野学園の窓ガラス太陽光発電装置を製作した大手ガラスメーカの就職試験を受けて合格して、横浜から近い会社に通勤し始めた。一方、妹の智子は、上智大学の英文科に合格して、すぐにアメリカとイギリスの女友達を作って、銀座、横浜をぶらついて、ウインドウショッピングを楽しんだり、おいしい料理を食べて学生生活を楽しんでいた。

 この頃ZEH「ゼロ・エネルギー・ハウス」とかZEB「ゼロ・エネルギー・ビル」という言葉が、言われるようになった。ZEHとは、自宅で使う電気を自宅で太陽光発電、風力発電などで作るエネルギで、完全に賄える住宅の事。つまり、これによって、住宅は自前で自分の家で使うエネルギーをまかなえる。全国鬼絵がこうなれば、大がかりな発電施設がいらなくなる。

 その住宅がビルに置き換わったのがZEB。建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、太陽光発電、風力発電の様な自然エネルギーによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味「ネット」でゼロにすることができる。

 あざみ野学園では、エネルギー消費量を正味「ネット」でゼロではなく、プラスにしていると言う、最先端の校舎として、国から補助金が出るようになった。その代わり、学校のない日は、先着順で100名まで、校舎見学できるようになった。この話題が、新聞に載って、この学校を希望する生徒が、再び、増加した。

 この年2015年は、1月から11月の訪日外国人数は、日本政府観光局の推計で前年同期比47.5%増の1796万人に達した。円安に加え、日本発着の国際航空路線の拡充、査証「ビザ」発給要件緩和などを背景に、過去最高だった14年の年間実績「1341万人」を既に上回った。15年年間では1900万人台にする見込みだ。

 訪日観光客が日本を訪れ、炊飯器やカメラ、薬、化粧品といった家電やブランド品などを大量に購入する「爆買い」も注目を集め、今年の流行語大賞にも選ばれた。日本百貨店協会によると、外国人観光客向けの免税売上高「1月から10月」は前年同期と比べ、約3.1倍の1610億万円。ただ、中国を含む新興国経済の減速に伴い、爆買いの勢いが鈍る可能性も指摘された。

 このため観光都市、京都では、住民たちの生活に支障が起きる程、環境客で、混雑していた。もちろん、デパート、ホテル、焦点は潤うが、市内のバスは、大混雑で、住民が利用できなくなるという訴えが市役所に寄せられるようになった。加えて、中国を始め新興国の成金や富裕層が観光に来て、一部の心無い観光客が、一般住民の家の軒先にゴミを捨てる問題も起きた。

 その他にも、中国人の中国人観光客目当ての、もぐりのバス運転手、タクシー運転手が日本全国で報告され、取り締まられても、次々と、そういう不心得者が出ていた、一部には、公衆トイレで果物を洗って、食べかすで洗面台を汚すなどの苦情も相次いでた。最近は、大型クルーズ客船に数千人の中国人が、山陰、九州北部、日本海側の小規模な都市に寄港し始めた。

 それによって、評判の高い化粧品、医薬品、電化製品が少しの間に、その年から、なくなると言う、以前想像もできないような事件も頻発していた。しかし、地方都市にとっては千載一隅のチャンスで、スーパー、小売店は、商売繁盛。そのため地区の商工会は、大歓迎。それにより、地元経済が潤うと地元の町、市、県は、
住民の多少の不便を差し引いても経済活性化を優先していた。

 この年も1月にパリでアルカイダに共鳴するイスラム過激派に襲撃された。、イスラム国などによる大規模テロが各地で多発。チュニスで3月に起きた博物館襲撃では、邦人3人も犠牲。11月もベイルートの自爆テロに続き、パリで同時テロが発生し130人が死亡。いずれもISが犯行声明を出した。パリ同時テロを受け、英仏がシリアのIS拠点への本格空爆に踏み切った。
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