(二)-13

文字数 220文字

 三件目は、同じ目黒区内の個人経営の衣料品店であった。経営が上手くいかず、業態転換などもできていなかった。売上も慢性的に赤字で返済が滞っていた。あまりに経営状況が悪く、地元の信金や、政府系金融機関でさえ貸し出すのを拒むだろう。大手都市銀行ならなおさらだ。
 そのような店に、伊賀屋は返済を迫った。返済が滞ればそれはそれで担保を押さえればいいだけの話だったが、伊賀屋はそうせず、店のオーナーに対して、チンピラを派遣して返済を迫っていた。

(続く)
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