第三場
文字数 734文字
（幕間、エルフの都ベルモントにて）
はああ、あといきなり２日ですかぁ…、全然時間が足りませんよ。すべてのエルフの中からもっとも気高く優秀な若者のペアを選ぶ……ったって、何を決めればいいやら全然決まらないし、会議はすぐ転覆するし、長老はほっとくとすぐさぼるし。責任はどこにあるんだか、さっぱりわかりませんし…たぶん途方もないやっつけ仕事になるでしょうねぇ、しっぱいかくじつ
何か言っておるのか？
いえ、なんでもありませーん。万事は順調に進行中です、どうか心配しないでくださーい
失敗確実とか言ってなかったか？
たぶん、それは長老の聞き間違いでしょう……。かわいそうに、お耳が……
そうか？ はて、きちんと開催できるか心配じゃのう。
……いっそ大会編の参加費をうんと高くしてやるのはどうじゃ？ 地界から貴族が百人ばかり集まるかどうかになるじゃろうが、その中にこそこの世でもっとも高潔なるエルフがあろう
どうしてそんな事するんですかぁ！ えっと、それじゃぁ優秀じゃなくて単なるお金持ちしか集まらないと思いまーす！
何の問題がある？ 金は才能の証拠じゃよ。問題はて、いくら金持ちでもバカ息子やどら娘、はては無頼の粗忽者では新世界を代表するハイエルフにはなれんということじゃ。ために教養試験は是非とも必要となる。
そんなのおかしいですよぉ。挑戦するチャンスは、金持ちにつけ貧乏につけ、いずれの全員に与えられるべきですー！
よくぞ言った。お前もさすが私の弟子と言ったところか。
とにかく問題は二日後に間に合うかどうかだけじゃな。
その件なんですけど、もし間に合わなかった場合、わたしが責任を負うんですかぁ？
あたりまえじゃて。手助けは何ひとつとしてせんが、立派にやり遂げるのじゃぞ。
はあ……してくださいよ……
