終末少女兵器X 2話
文字数 1,356文字
検査室へ向かうエマに小声でルーは囁いた。
エマもルーに合わせて、小声で聞き返した。
それを聞いて意味不明なエマは聞き返す。
ルーは首を振り答えた。
それを聞き、エマはルーの肩を強く握りしめる。
ルーはうつむき、頷いた。
それを聞いて、エマは肩を握りしめた手に力が入る。
ルーは、わずかな沈黙のあと、震えながら頷いた。
元気なエマが珍しく落ち込み、目には薄っすらと涙を貯めていた。
エマ、私にとってはこの施設は家みたいなモノなの。 そして、エマは私にとって、一番大切な家族なんだよ。 手術を受けなかったら……私はここには居られなくなる……ここには、利用価値のある子しか居られないの……私は何があっても、家族のエマとは離れたくなかった……だから、手術を受けたの……
それを聞き、エマは大粒の涙を流した。
エマの優しさを感じ、ルーはエマを強く抱きしめる。
その言葉には説得力があった。
そのためエマは、その事に歯がゆい気持ちで唇を噛んだ。
ルーは大丈夫だよという感じで、軽くエマに微笑む。
それを聞き、エマは安心した感じで肩を撫で下ろした。
「ガジャーン!!」
次の瞬間、凄まじい衝撃音が施設内を襲った。
そして、警報とアナウンスが施設内に響きわたる。
日本上空でMk2とMk7が交戦中、続いてアメリカ上空ではMk3、Mk5、Mk9が交戦開始
続いて、ロシア、中国、インド、フランス上空にも出現
当施設員は直ちにシェルターに避難して下さい
それを聞いたルーは、シェルター方向とは違う方角へ走って行った。
ルーは息を切らせ答えた。
その言葉を聞いて、エマは水槽の生物の事だとわかった。
それを止めようとエマの手を掴もうとした時、通路の奥の方から得体の知れない生物がこちらに向かって来るのが見えた。
無数にある足をぎこちなく使い、のっそり、のっそり、エマ達の方へ近づいてくる。