終末少女兵器X 1話
文字数 1,276文字
その元気な少女の腕を握り、怯える少女もいた。
それを聞いて、エマと呼ばれた少女が笑いながら答える。
そして、エマは軽く水槽にパンチをした。
水槽は少し揺れ、研究員がエマに怒鳴りつける。
エマは怒られても何食わぬ顔で「へいへい」とあしらうように手を振った。
ルーは怒られたショックで、エマの腕をギュッと握りしめ、目を閉じていた。
そして、徐々に目を開けると、水槽の生物の目が開き、ルーを見つめた。
ルーが悲鳴を上げると、研究室内に緊張が走った。
エマが心配そうにルーに尋ねた。
そう言ってルーは水槽の中の生物を指差した。
研究室内の人間が息を飲んで、一斉に水槽の生物に視線をおくる。
一人の研究員がデータを解析すると、微量な反応があった様子だった。
録画された映像には、わずかにまぶたが開く現象が確認された。
研究員達は一同に、興奮した様子になった。
研究員の一人が水槽を眺め、主任と呼ばれる女性に問いかけた。
ルーは悲鳴を上げた後、頭を片手で抑え、何か苦痛を感じている様子だった。
ルーを心配し、エマは優しく問いかける。
ルーはエマを心配させまいと、ムリに笑顔を作った。
研究室内が慌ただしくなった頃、エマとルーを呼び出すアナウンスが流れ、二人は研究室を退出した。
主任は部屋を出るルーを眺め、考え事をしている様子だった。
主任は研究員に尋ねた。
その問いに研究員は答える。
それを聞き主任は指を顎に当て考える。