(二)-8

文字数 406文字

 翌々日、自宅で寝ていた拓弥はベッドから起き出すと、隣で寝ている夜勤明けの実奈美をそのままにして浴室に入りシャワーを浴びた。
 拓弥が浴室から出ると、すでに見たことのある体の肝心な部分を腕と手で隠しながら実奈美が入れ替わりで浴室に入っていった。
 拓弥がバスタオルで筋肉質な体を拭いていると、浴室の少し開いたドアの隙間が、実奈美の声で「今日もテスト勉強するの?」と尋ねてきた。
 「ああ」とだけ拓弥は低い声で応えつつ、バスタオルを乱れたベッドの上に放り投げて、プラスティック製のチェストから黒のボクサーブリーフを取り出し、それに足を片方ずつ通した。
 拓弥が着替えを済ますと、拓弥が体を拭いていたバスタオルを使ってメリハリのある体から水滴を拭いながら「私も今日は早番だからもう出るから」と実奈美が言ってきた。
 拓弥は「ああ」とだけ返事すると、テレビの前のローテーブルに置いてあったトートバッグを取り、部屋を出た。

(続く)
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