(四)-3

文字数 235文字

「もちろんですよ! 部下ですから」
 彼が私の手を握ってきた。こんな状況で男の人に手を握られるのは久しぶりだったので、思わず手を引っ込めてしまった。それだけではない。さっさと会社に戻って仕事をしなさいよ、と私は怒鳴ってやろうかとも思った。
 離婚して以来、人生でいいことはあまりないと感じていた。結婚は大失敗だったし、仕事ではイマイチな部下をあてがわれてしまった。昨日はせっかく作ったお弁当を家に忘れてきてしまう上に、今日は仕事でまさかの元夫と再会するハメになった。

(続く)
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