(二)-8

文字数 236文字

 そう考えながら駅で電車を待っていた。そのとき、電車がくる方を振り向くと、そのとき私は帰宅ラッシュで混雑する中を歩いて行く幼なじみの鷹野大樹の後ろ姿を見つけた。
 こんなところにいるはずはない。なぜこんなところにいるのだろう。そう思うと、私は乗車のために並んでいる列を離れて、向こうの方へ歩いて行く大樹の後ろ姿を追いかけていた。
 すれ違う人たちの流れに逆らいながら、進んで行き、私は階段を降りていく大樹の背中に近づいた。
「大樹!」
 そう言って私は彼の肩に手を置いた。

(続く)
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