第7話

文字数 266文字

古今東西の死について、それだけを勉強した。
命からがら、自分の死期が訪れる。その時まで、ペンを握り、ノートを開き、黙って思考を巡らせた。
そんな時間を三十年。
見つけてしまった。真相を究明できた。死は普遍的だった。拷問も、事故も、自殺も、何もかもが同じだった。
そう、死とは平等だ。
だから、人は死ぬのだ。
死とは何だろう? それが分からない。
ただ一つだけ分かったことがある。それは、自分が死にたくないということだけだった。
自分は何を恐れているのだろうか? なぜ、こんなにも恐怖するのか? 答えはすぐに出た。「……あぁ」
気付いた時には遅かった。
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