第10話

文字数 433文字

誰かを褒めることは、同時に誰かを貶すことになります。
これは自分の考えでした。今でも変わらないです。だから、褒めることも貶すこともできません。
僕は昔から嫌われることだけを何よりも恐れています。
批判をすることを恐れているのではなく、そこから返ってくる言葉に体を震わせているのです。
自分と関わったことない人でさえ、悪口を言われることが苦しいのです。
八方美人になれるならなりたいです。
あれほど楽な性格もないでしょう。
一つ、自分がずっと探しているものがあります。
ずっと探しています。
誰も傷つけることなく、伝えたい人に伝える技術を。
どう踏んでも、どう考えても、自分は誰かを貶してしまいます。
それが仕方なく、苦しいのです。
ためつすがめつ覗いてみても、付け入る隙がありません。
どう頑張っても、自分の文章からニタニタとした気味の悪い感触が張り付いてきます。
でも、書くことを辞められません。
離れても、すぐにパソコンに向かって、今もこうして指を動かします。
ある意味、最も健全な接し方です。
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