第2話

文字数 1,002文字

女子マネみたいな先輩選手、飯田はジュダルを慰めた。
「人って必ず死ぬんだし、また天国があれば----また会えるよ!」
深妙に飯田が気を使うとジュダルは怒った。
「そんな簡単に人って出会るものじゃないじゃないか。俺があるかもわからないものにすがる気はない。だから今は思いっきり泣きたいんだ。消えてくれないか。」

「わたしの前で泣きなよ。ともだちでしょ?」
するとジュダルはぐずり出すが飯田もくるしそうに泣き出した。
「サッカー部が潰れてちゃう。」
「?!」
泣きたいのは飯田らしい。

部員は二人だけになっていた先輩はサッカーをする事で気を晴らしていた。
おまけに祟りが広まっていたので部員はなく、そこにての大石の死は大きい。悪い噂は広まった。ジュダルはサッカーのことを忘れてしまいたかったが、体はボールを求めた。

「さあサッカーをしようか?」

ジュダルの目つき、声色、仕草が大石そっくりになって飯田を誘う。飯田は手に吊るすボールを出して、異様な空気に勝負を挑んだ。
泣くのをやめ、挑発する。
「こい--」
飯田が立ち直った。
「そうさ。サッカー部がなくてもサッカーはできる。サッカーをしていないサッカー部を作るつもりはない。
あなたの腕前見せてもらおう。」
飯田が突撃する。その足先に目に止まらぬ早さでボールをのせて、頭上をボールが通った。落下地点にせって位置を確保すると、喧嘩のようにショルダーを食らう。まけじと二人は足をせりながら伸ばす。すると飯田が競り勝ったが、ジュダルがいない。死角に潜んでボールをつつき、そのボールを取り逃がしたところをボールと距離がでるまでスルーして背中ボールとの最短ルートをジュダルはさえぐ。そしてボールを奪った。
「つえー!」
「あらあんたのサッカーはもうおしまいかい?」
「うんうん。生意気な感じ、いいね。取りかえすよ!」
すぐにその差はでた。

「はあ--はあ--なんで息きれないの?---はあ」

「俺は毎日走ってるんじゃ!90分無駄な動きを平気でして、相手ディフェンダーにプレスをかけるためにな。まだ部員募集をかけて日が浅い、諦めるには早いよ。」

「早いです!」
「?なんだ?」
「なんですかでしょ?先輩に敬語は当然だ!」強気で息巻いている。
「そのいきですよ先輩!泣きべそかいてる暇はないよ。」
その時、悪魔の大石がジュダルに乗り移っていた。





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