第1話

文字数 1,322文字

彼は悪魔に憑かれていた。13歳の誕生日、今日のプレゼントは何だろう?ワクワクして朝をむかえて、喜んでいる。
「わーいあの神社の限定者の御守りだ!」
母さんは語尾にお経を交えて答えた。
「呪いを解くオーダーメイドでもあるのだよ--ブツブツ---大切におし--ぶつぶつ。」
「今日も朝トレ行ってくるね!」
「今日は始業式でしょ?あとで部活なににするかおしえてね、ぶつぶつ。」
この少年は走って学校へ急ぎ、いつものようにつまずきながら、走りだす。
女子マネがいるサッカー部があるその姿に目が泳ぐ。「あの子汗だくだなぁ」と声をかけられた。ジュダルは照れ隠しに顔を背けて速く走ると運の悪さにつまずき転ぶとそれに笑った女子マネに話しかけられる。
「朝早くから偉いねサッカー部にはいりなよ。」
ジュダルは顔を真っ赤にしてそこから立ち去った。

初日に学校でシャワーを貸してもらっていた。その隣の部屋で同じように女の子がシャワーを浴びにきた。その出会い頭かおを見てびっくりする。
「女みたいな身体の男の大石!」
「おおジュダル!お前も朝レンか?」
裸で話し合うが、その体のせいかぎこちなくなる。大石とは付き合いが長く、友情も確かなものだった。
「お前がいるならサッカー部に入るよ!」
「おう!またツートップだ。」
硬く握手をすると何も言わずに去って、
部屋に戻る。二人ともこう思っていた。
「だが10番は俺だ!」

「さてやっぱり来てくれたね!仮入部かい?」
女子マネと思ってた女の子は選手だった。
「いえ二人とも入部だよ」
女子マネは大石の手をとり、仲間に女の子に見えたらしく、「君は特に大歓迎」とぴょんぴょん跳ねる。
この人が男だと告げると少し残念そうに手をそっと離した。
ジュダルが練習を終え、夜トレに入る。走って帰った。
「あいつなにをトレーニングしているんだ?」
「ここから30キロ。走って帰ってるんだ、それだけ。」
「え?怪我しちゃうよ。大丈夫なの?」
大石はわかっていた。「あいつの身体は特別なんだ。」

子供の頃から死にかけの人生をおくっていたジュダルは体に危機感という本能がなく、常に100パーセントにチカラを使うことで悪魔の身体を手にした。なにも疲れない身体を。

大石はマネして走って帰っていれば、子どもがサッカーを道路でしている。小さい子だ。足を止め、ひと通りの少なく、車の多いこの場所に危険を感じた。すぐ駆けつけて注意したその矢先、意識が消える。引かれたのだ。
記憶が少し残っている。それは男の子が泣いているのだ。暴れながら人混みを掻き分け、そして取り押さえられ締められている。
「お前とツートップやるんだろうが!」

(ジュダルなのか?というか俺が死んだのか?)
いいじゃないか。俺がいなきゃ10番簡単にとれるだろ?
ジュダルが暴れている。先輩がそれを必死に止めている。
いいじゃないか女子マネみたいな先輩と仲良くすればいい。
ジュダルが暴れて叫んでいる。
「大石いいいいいい!」
こわごわした空気を切り裂き悪魔がささやく、
俺の持ち霊になってみないか?こいつともう一度ひと暴れてみろよ。

俺は泣くジュダルをじっと見ていた。


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