第1話 晩秋の石狩鍋会

文字数 792文字

 季候のいい調整区域にも四季はある。

春、初夏、秋、晩秋のような穏やかな季節の推移。

今は晩秋。少し肌寒い季節。本州では東央都でも雪がチラつくようになったらしい。


今日は見事な鮭をクローブが搬入したので、石狩鍋会。

料理スキル搭載のジンジャーが見事にさばいてくれた。

夕飯はクローブのリクエストで、石狩鍋の雑炊の予定。

美味しい、温まる~。

きっとセレブのヒイラギだってこんな美味しい鍋食べたことないんじゃないかな。


ありがとう、ゴマ君、ジン様。

セージに勝手に付けられた料理スキルだったけど、役に立ってよかったよ。
ジンジャーがいればなんでも作れそう。

献立考えるのが一番面倒くさいから、食べたいものどんどんリクエストしてよ。

美味しい……
ビオラちゃんはいっぱい食べなさい。大事な成長期だから。
ビオラちゃんは今も可愛いけど、お年頃になったらみんなみたいな美人さんになるんだろうな。
……(どう返事していいのかわからず下を向く)
(美人さんって言った?)(真っ赤)
さてと、明日のお楽しみ、ベーコンの燻製の様子を見てくるね。
ゴマ君、俺も行く。手伝うよ。
食事と後片付けも終わり、チラホラ数名ずつ去ったあと。
ジンジャーのホストトーク、真に受けてんのクローブだけだぜ。


いつもは男女平等とかフェミ活動家なのに、案外チョロいな。

ジン様だけは特別なの!

私も2人のお手伝いに行こうっと。


(サンショウの耳元で)なによ、偉そうにしているけどリコリスに片思いしていた癖に。

俺はリコリスとヒイラギ先輩の仲を取り持ってあげている、気遣いのできる心優しい男なんだぞ。


カルダモン、てめえ余計なこと言いやがったな。

おう、怒っているサンショウ、最高に輝いているぜ。
いつも通りの賑やかなワンシーン。

ふとミリンが携帯用モニターを見る。

9番ゲート解錠している。誰か入ってきた。


あ、猫もいる。

全員集合の食事タイミングで誰か来る。9番ゲートあるあるだな!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色