第10話

文字数 767文字

相談員の見解では、目撃者の証言内容から過失割合は逆転するので、強い態度で望む事。
僕はその言葉だけで、たいして現状保険屋さんにどの様に事実が捻じ曲げられて伝わってるかを熟考する事もなく電話してしまった。
僕の書いた図面とこれまでの相手の状況説明に大きな矛盾が生じた為、現在相手に確認中との事で、相手からまだ返事が聞けてないという状況だそうだった。
目撃者の証言を話しても、結局「僕がUターンをした為に起こった事故」という事に拘っている。
うまく伝わらないままに電話を切り、Uターン事故の過失割合を調べてみると「Uターンは転回禁止でない場所で、安全な状況でのみ認められた例外的な動きである」とされ、Uターンをしたとされる僕の過失割合が8割取られる。
Uターンなど、していない。
右直事故なのである。
交差点での脇道からの進入事故かUターン事故か、という保険屋さんの、あくまで僕が危険を作った事による事故という認識は、追い越しの証言を本人から引き出さない限り変わらないのだろうか?
追い越し禁止区間での追い越しを伴う右直事故の場合、悪質な追い越し行為とみなされ1:9に過失割合は逆転する。
相手の偽証により、それが逆転させられ、通りそうになってしまっている。
相談員には最初は苦労したけどすんなり伝わった説明が、なかなか保険屋さんには伝わらない。
経験の差なのか、それとも、同じ保険屋だからなのか?
どのみち車両価値の低い僕には、買い替えの経済的負担は生じる。
ならば、訴訟も辞さない構えで主張しよう。
この事故は、相手の悪質な追い越しが原因の追い越し禁止区間での右直追突事故である事を。
事故状況、相手の偽証、自分の実感。
足りなかった目撃者証言は、実は最初からあった。
これで、現況を変えられないなら、一体何をどう信じれば良いのか。
争いは嫌だ、等と言ってはいられない。
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