主人公と雷之丞
文字数 731文字
廊下へ出た主人公。
く……何とか話はつけたが……
あの校長、自分はもう引退するから方針は
新校長に任せるとかで……
まあとりあえずはやってみては
いかがでしょう？ だと……
あのライノ何とか？野郎……気に入らん。
まあ赴任したばかりだ。まずは、学園内を
色々見て回ることだな。普段は生徒として
籍を置くことになったんだし。
げっライノ……
雷之丞・ライラル・ラリーテルだよ。フ
げっ雷之丞（面倒くせえ）！
おまえも赴任したばかりだろうが……
ってか生徒でって、まじでそうなったのかよ！
フ……
……はあ？（イラッ
さっきの子――空町まちのくんという――
あの子が我が学園のTACTIC部キャプテンだ。
彼女に色々相談してみるんだな。
何でおれが……
なかなか、可憐かつキュートな子じゃないか？
……知らん。
こっちはそれどころじゃないんだ。
君も、残念な子だね。
目の前にあんな女子がいて、君も少年なのだ。
謳歌しなよ？ なにすぐに慣れるさ。
だから、子じゃない！
それから副キャプの草馬 灯くん、
という――この子は部のエースなのだが、
現在は部活動を自主的に休んでいるようだ。
風邪かなんかじゃねえの？
季節の変わり目だし？
いいや、そうじゃなくあの子は……
ふむ？ 季節……なるほど季節、か。フ
……？
そういえば、こんな《ハザマ》の学園にも
季節というものがあるとは、
嬉しいことだね。
は……はあ
こんな辺鄙どころじゃない任地に飛ばされて、
季節の移り変わりと女の子を愛でることくらい
楽しみたいものだよ。
………………
あー……わかったわかった。とにかく、
じゃあおれは好きにやるからな。
とりあえず売店はどこだ。腹が減った。
生徒としてのルールは、守ってくれたまえよ。
すぐそこに校内の地図がある。
じゃあな。
主人公、立ち去る。
フ……無粋だねえ。
